四国歩き遍路 26日目 遍路宿にも高齢化の波
更新2020年9月2日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
26日目の行程
鶴の家旅館⇒第40番観自在寺⇒青い国ホテル
鶴の家旅館
食堂に行くと、ドイツ人遍路がひとり朝食を食べていた
他には誰もいない
もしかして、遍路はふたりだけなのか
かなりの人が泊まっていたと思ったが
ペットボトル用にお茶を頼むと、冷たい麦茶となぜか熱いほうじ茶を用意してくれた
その理由は7時に玄関から出るとわかった
今朝、外は寒い のだ
第40番観自在寺
今日は宿毛市に出て、松尾峠を越える
雨宿りできそうな場所を探して、足早に歩く
荒れた廃屋の軒先にHさんを見つけた
一緒に雨宿りをする
いつも同じお気に入りの宿に宿泊することは前に聞いていた
昨日の宿は以前とだいぶ様子が違ったらしい
Hさん曰く
昨夜泊まったのは、延光寺のすぐそばの宿
いままでは美味しい手作り料理が楽しみだった
ところが、昨夜の夕食はスーパーの総菜を使ったようなおかず
あまりの違いに、がっかりしたらしい
また、足摺岬の打ち戻り途中にある、女将さんの気遣いで人気の遍路宿
そこも代替わりして、昔のような気遣いが全然感じられなかったそうだ
あの女将さんの気遣いをまったく受け継いでいない
ショックが大きかった、という
それはどれも、高齢化による変化に違いない
遍路宿とて、その波を避けられない
残念な現実だ
小雨は止みそうもなかった
しかたがないので、ポンチョを被り、お互いに歩きだす
ふたりとも、リュックカバーを使わない
経験してわかっていることがある
実は、雨の日に、リュックカバーはほとんど役に立たない
信用すると、リュックの中身を濡らすことになる
Hさんのポンチョは有名メーカーの高級品だ
しかし、風が少し強く吹いたり、横を通り抜ける車の風圧を受けると、しばしばまくれ上がっている
小雨といえども、度重なると太ももや腰が濡れている
もしかすると、リュックの下のほうも雨がかかっているかもしれない
そもそも歩きにくそうだ
自分のポンチョは風に強い
いいなぁ、どこの?
聞かれても困る
風に強いこと、それだけで買ったものだ
名もなきメーカー製
その名も忘れてしまった
レインズボンを履けば同じ事、と思うかもしれない
でも、正直なところレインズボンはよほどの大雨でない限り、履きたくないのだ
なぜなら、トイレの時に困るから
普通のズボンならチャックが付いているので、問題ない
レインズボンは防水性を高めるため、チャックがついていない
だから、トイレに行く度、面倒くさい思いをする
それが嫌で、上半身にポンチョは被るが
下半身は、普通のズボンのままでいることが多い
いつの間にか日が差してきた
ポンチョをたたみながら、Hさんはゆっくりして行くという
Hさんと別れ、宿毛市内から松尾峠を目指す
これだけ案内されると迷わない
この地区は念には念で、複数の親切な案内が多い
松尾峠に到着
眼下に宿毛湾を望める
いい景色だ
こんな遍路を惑わす案内もあった
松尾峠を下ると観自在寺は近い
ここら辺で少し迷ってしまった
あちこち歩いていると、またHさんと出会った
道に迷って、遠回りをしたらしい
Hさんは今日、宇和島まで歩くという
こっちはずっと手前、愛南町泊まりだ
Hさんが毎回利用する休憩所に到着
トイレだけ行き、じゃあと言って別れた
観自在寺までもう少しのところまで歩いてくると
近くの弁当屋から軽自動車がでてきた
急に止まると男性が降りてきて、お遍路さん、お接待で弁当をどうぞ
弁当を差し出された
明らかに弁当は自分用に買っている
しかも、今買ったばかりだ
車接待以外、断らないと決めている
しかし、さすがにこれをもらう訳にはいかない
気持ちだけいただくことにする
丁重にお礼を言って、別格用の納札を差し出す
納得してもらえただろうか
お気遣い、 ありがとうございました
あっ、鶴の家旅館で出会ったドイツ人遍路だ
境内のベンチにひとり座っている
宿を出る時は、まだ出発していなかった
見た目より足が速いのかもしれない
話しかけてみる
やはり言葉が通じない
身振り手振りで手帳にサインを求められた
よくわからないまま、ローマ字で名前をサインした
青い国ホテル
ホテルは近いが、チェックインにはまだ早い
すこし先のジョイフルで夕食にする
ジョイフル的にはディナーではなくランチの時間帯だった
水のお代わりをして席に戻るとき、窓からHさんの姿が見えた
向かいの道路を宇和島方面に急いでいた
これで最低1日分の差が出来る
もう、追いつけないなと思った
ホテルでは人とのふれあいは望めない
でも、個室だとゆっくり出来る
だから、たまにはホテルがいい
そう言えば、ここはもう愛媛県だった
宿の情報は
四国歩き遍路 25日目 遍路地図も完璧ではない
更新2020年9月1日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
25日目の行程
民宿いさりび⇒第39番延光寺⇒鶴の家旅館
民宿いさりび
今日は晴れそうだ
落ち着いた気分で朝食をいただく
靴は今までで一番濡れていた
ところが、新聞紙を3度交換したおかげで、朝にはしっかり乾いていた
第39番延光寺
2日前に立ち寄った「カフェダイニング」の隣にある休憩所まで戻る
ここから国道を外れて、山に入っていく
三原村付近を歩いていると、「おーい」と呼ぶ声がする
声のほうに振り返ると、ずっと奥にある建物の隅にHさんが座っていた
大岐海岸の感想を話そうか
そう思ったが、こんにちはと挨拶しただけで、通り過ぎた
実はこの先、星ヶ丘団地にあるトイレを目指して、急いでいたのだ
団地に入ってもトイレの場所がなかなかわからない
やっと見つけて、小用を済ませ、へんろ道に戻るとHさんとバッタリ
事情を話すと
自分が休んでいたあの場所にトイレはあったのに、という
地図にトイレの記載はなかった
そうなのだ
遍路地図も完璧ではない
毎年改訂されるわけではないのだから、当然だ
最新の情報だと、勝手に判断してはいけない
特に注意が必要なのが、地元のスーパー
地図に載っていても、廃業してることが多い
だから、開いている店を見つけたら、必要なものはその店で調達したほうがいい
この先、地図どおりに店があったとしてもだ
ない時の後悔は計り知れない
Hさんは延光寺そばの民宿に毎回泊まるらしい
驚いたことに、すべての宿の予約を済ませて四国に来ていた
朝暗いうちから歩くのは、スケジュールどおり進むためだった
よく休憩しているのは、時間調整のためらしい
このままのペースで行くと、宿に早く着きすぎる
のんびり行くからとHさん
Hさんと別れて間もなく、平田の街に入る
今日の宿は朝食しか頼んでいない
夕食を調達する必要がある
地図にはスーパーひらたとローソンが載っている
自宅近くにはコンビニもあればスーパーもある
だが、利用するのはもっぱらスーパーだ
コンビニにはあまり馴染みがない
だから、スーパーがあるならスーパーを利用したい
ところが、そう、廃業していた
仕方がないので、コンビニに入る
コンビニから出ても、時間は14時前
宿に入るには早すぎる
明日の予定だったが、延光寺まで行くことにする
昨日濡れたおかげで、白衣はしっかり洗濯している
だから良かった
そうでなければ、今日延光寺には行けないところだった
これで鶴林寺の鶴と合わせて、鶴亀のおめでたい白衣が完成した
白衣の洗濯が済んでいたから今日参拝できたと、納経所のひとに話しをした
ところが、洗濯したきれいな白衣を着て亀のご朱印を頼む遍路は少ないらしい
白衣のことは、そんなに気にしなくてもいいですよ、と言われた
それが礼儀だと思って洗濯したのだが、別にどうでもよかったようだ
鶴の家旅館
ローソンで調達した夕食
ここには外国人遍路が宿泊していた
ドイツから来たらしい
男性だった
残念ながら、日本語があまり話せない
大学の教養課程で第二外国語はドイツ語を選択していた
はるか昔のことだ
もう少し、熱心に勉強しておけばよかった
せっかくのチャンスだったのに、会話がほとんど続かなかった
宿の情報は
四国歩き遍路 24日目 経験したことのない低気圧に襲われる
更新2020年8月31日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
24日目の行程
民宿旅路⇒38番金剛福寺⇒民宿いさりび
民宿旅路
遍路中は疲れているので、ぐっすり眠れる
夜中に起きることはない
だが、この日は違った
宿の裏は林になっている
そして、すぐに太平洋が迫る
そんな地形が影響するのか
猛烈な強風が部屋を揺らした
雨が激しく窓を打ち続ける
外では不気味な音が鳴り渡る
揺れと音で何度も目覚めた
部屋は2階だった
建物自体が吹き飛んでしまわないかと心配になった
朝、宿の女将さんが教えてくれた
発達した低気圧のため今日1日は、もっと荒れるらしい
もう一人の宿泊者が遍路のCさんだ
Cさんは可能な限りへんろ道を歩くスタイルのひと
金剛福寺からは打ち戻らず、月山神社へ行く1番遠いコースを歩くらしい
コースについて詳しくはこちら
朝食が終わるとCさんはすぐに出発した
こちらは打ち戻りコースだから、もう1度ここへ帰ってくる
荷物は置かせてもらった
第38番金剛福寺
外に出ると、予想どおり激しい雨
ゴーゴーと鳴る音に比べると、実際の風はまだ大人しく感じる
途中、Cさんとバッタリ
海沿いのへんろ道は荒波と強風で危険なため、車道まで戻ってきたらしい
Cさんはそのまま車道を足早に歩いて行き、視界から消えてしまった
窪津漁港を過ぎたあたりで、風が猛烈に強くなった
正面から来る強風で、足を前に踏みだせない
両脚で踏ん張り、前傾姿勢をとっていないと、吹き飛ばされそうになる
しばらくそのままの状態が続いた
宿に帰ろうかと一瞬考える
こんな日に歩く遍路が何人もいるはずがない
宿で待機するのが普通だろう
それでも、じっと耐えていると風向きが変わる
なんとか前に進めるようになった
とにかく行くしかないと、弱気を振り払う
向こうからが歩いてくる遍路がいた
この先の情報を聞いた
大丈夫、なんとか行ける
お寺の前の道路は、風雨が凄いのでそれだけは注意して
これから進む道を経験した人の話を聞くと安心感が生まれる
なにより、この状況で歩いているのがひとりやふたりでないと感じ、心強くなる
また一人、遍路とすれ違う
同じことを聞く
同じような答えが返ってくる
ますます安心する
津呂にへんろ小屋があった
トイレと水道を、往復利用させてもらった
雨の日でも、今日はやたらと喉が渇く
金剛福寺の前の道路は教えてもらったとおり、強風が吹き荒れていた
ところが、お寺に入ると静かになる
雨が降ってはいるが、穏やかな境内
寺から一歩出ると、強風が襲ってくる
どうもこの道路付近が風の通り道になっているらしい
すぐそばに展望台がある
駐車場を横切って行こうとした
展望台の方向から車に戻る観光客風のカップルから声がかかる
お遍路さん、展望台に行っても雨風が凄いだけ、やめたほうがいい
それでも近いので行ってみた
やはり助言には素直に従うべきだった
立っているのがやっと
雨が目に当たり、景色を見るどころではない
すぐに展望台から下りた
でもやっとここまで来たんだからと
展望台のようなことはない
それでも油断は禁物
動画を撮る時ちゃんとつかんでいないと、携帯が飛ばされそうになる
後で撮った動画を見たら、しっかり指が入っていた
帰りは風が背中を押してくれる
楽に歩けた
女性の遍路が前傾姿勢で左右に揺れながら、こちらに歩いてくる
頑張れ、負けるな
そう思うと、聞かれもしないのに
この先の状況を伝えていた
旅路まで戻って来た
預かってもらっていた荷物を持って今日の宿へ
民宿いさりび
風はやや収まったが、雨は一層激しくなった
道はほとんど川だ
こうなっては防水性の靴といえども役に立たない
びしょ濡れの状態で宿に着いた
高知では毎春こんなすごい低気圧がやってくるんですか
宿のご主人に聞くと
いや、こんなにすごいのは初めて、いつものとはレベルがちがうという
キャンセルの電話が続いたのだろう
今日は飛び入りの遍路がひとり来ただけで、ほかに宿泊客はいなかった
今夜はゆっくり眠れるだろうか
宿の情報は
四国歩き遍路 23日目 遍路は自分のペースで歩くことがベスト
更新2020年8月30日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
23日目の行程
民宿日の出⇒民宿旅路
民宿日の出
朝は曇り空
予報では3時ごろから雨
雨の降る前に次の宿に着きたい
逆打ちのご夫妻は奥さんの脚の状態から時間がかかると思ったのだろう
早めに出発した
こちらもグズグズしてはいられない
民宿旅路
国道56号線を少しばかり歩く
遍路地図に従って、国道から入野松原に入っていく
この浜辺の松林は大変歩きやすい
道沿いにトイレも何か所か整備されている
気持ちよく歩いていると、ポンカンが縁で知り合ったベテラン遍路のHさんと出会った
Hさんは朝暗いうちから歩いているらしい
それでも出会ったのは、ベテランらしく無理をせず、休憩をしっかりとっているからだろう
遍路に来ると、毎回同じ場所で休憩することに決めているそうだ
遍路中、知り合った遍路と一緒に歩くことも多かった
そこで気を付けたいのが、歩くペース
自分のペースで歩いたほうがいい
ペースが違うのに、無理して歩くと、お互いに疲れてしまう
この時もHさんに焼坂トンネルの感想を伝え、お礼を言って先に歩きだす
Hさんも当然、自分のペースで同じ道を後からついて来る
四万十大橋の手前にローソンがあった
トイレを借りる
Hさんもローソンに入って来た
ここで毎回コーヒーを飲むらしい
大荷物の若者遍路が店の外にいた
聞くと、野宿をしながら歩いているらしい
野宿の遍路に初めてあった
四万十大橋を渡る
美しい四万十ブルーに魅了され、立ち止まって川を眺める
しばらくして、Hさんと大荷物の若者遍路が追いついてきた
橋を渡りきるまで3人で四万十川のすばらしさについて語り合った
四万十川を渡ると、またそれぞれのテンポで歩き始める
間もなく伊豆田トンネルに入る
ここは1620mもある
ものすごく長い
ただ、焼坂トンネルと違い、段差のある歩道がある
右側をそのまま歩けば問題ない
伊豆田トンネルを抜けると「カフェダイニング」の隣にトイレのある休憩所がある
あさってには、またこの場所に戻ってくる
トイレを済ませ、休憩所でお接待でいただいたせんべいを食べていた
Hさんが入って来た
宿泊先のお接待で、おにぎりをもらった
食欲がないので、1個食べないか
ポンカンのお返しだなと思い、1ついただく
その時、Hさんからアドバイスがあった
大岐に入ったら国道ではなく大岐海岸を歩くといい
あそこの景色は気に入ると思う
雨の翌日なら砂浜でも歩きやすいだろうし
Hさんのアドバイスに従い
国道321号線から大岐海岸へ降りる
雨の翌日でも砂浜は歩きにくい
砂が靴の中に勝手に入って仕方がない
それに雨が降りそうで、景色をゆっくり見る余裕がない
海岸を最後まで歩こうとしたが、途中、川があって渡れない
この川は遍路地図には載っていない
昨日の雨で自然発生したものだろう
とにかく国道に戻るしかない
なぜか、国道までの距離が長く感じた
結論、わたしは大岐海岸ではなく、国道を歩くことをおススメします
宿に着くと、本日の宿泊者は2名だった
だんだん風が強くなってきた
明日が心配になる
宿の情報は
四国歩き遍路 22日目 お寺も世間も変わりなし
更新2020年8月29日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
22日目の行程
岩本寺宿坊⇒民宿日の出
岩本寺宿坊
宿泊者は2名だ
朝6時から本堂でお勤めをする
渡されたお経のコピーをお坊さんと一緒に唱える
お勤めが終わり、ゆっくりと天井絵を観る
岩本寺は天井絵が有名なのだ
楽しみにしていた絵がある
残念ながら、そのマリリンモンローの絵は見つけられなかった
今日は雨
次の宿泊地まで歩いて移動するだけの一日だ
民宿日の出
カーブミラーに映る
雨の日の装い
看板のお言葉に甘えて、伊与喜川の景観を楽しむ
お寺の納経時間は朝7時から夕方5時までだ
5時前でもあっても、ぎりぎりの場合は納経を断わるお寺もあるという
トイレ掃除に熱心でないお寺もある
ほかに用事もないだろうに
団体が来ると納経所が込み合う
そのため、団体用と一般用の窓口を分けてくれているお寺もある
納経所には親切な人もいれば
無愛想な人もいる
歩き遍路に限って、特別にお接待してくださるお寺もある
次のお寺まで手書きの地図を用意したり、詳しく教えてくれる納経所もある
やさしい言葉をかけてくれる人もいる
淡々と作業をこなすだけの人もいる
お寺もそれぞれ、そこで働くひともそれぞれだ
お寺だからと、特別視しないほうがいい
いわゆる世間と何ら変わりはしない
こういうシールをボランティアで貼ってくれる人がいる
遍路にとってはありがたい存在だ
大方町に入って来た
鯨が見える町らしい
さすが太平洋
道中、こちらから挨拶をするように心掛けている
町の人には無視されることも多い
「頑張って」と声をかけてもらうと、力が生まれる
これは本当にそう感じる
無視されると悲しい
これも修行か
はい、今日の宿に到着
防水性の靴とはいえ多少湿っている
ご主人が新聞紙を用意してくれる
新聞紙の使い方はこちら
今日の泊まりは二組
もう一組は逆打ちの夫婦遍路だという
遍路は回り方も自由である
1番から順番に参拝することを「順打ち」という
一般的な回り方で遍路案内はこの回り方を基準にしている
88番から逆に参拝するのを「逆打ち」という
道案内はほぼない、そのため難易度は高い
また、全部のお寺を一気に参拝して回るのを「通し打ち」という
何回かに分けて回るのは「区切り打ち」だ
ちなみに「打つ」とは、お寺を参拝すること
かつては、お寺に参拝した証に木製や銅製の納札を本堂などに打ちつけていた
今は納札に変わっているが、昔の名残でこう呼ぶ
その関係で、お寺のことは「札所」ともいう
逆打ちのご夫妻も到着して3人で夕食
奥さんが脚を痛めて、遅くなったらしい
明日は岩本寺の宿坊に予約しているという
結構距離がある
大丈夫だろうか
脚を痛めて遍路を続けるのは本当に大変だ
宿の情報は
四国歩き遍路 21日目 危険な焼坂トンネル 恐怖は心の中にある
更新2020年8月28日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
21日目の行程
ビジネスホテルさつき
スーパーで買った今朝の朝食
昨夜2食分食べているから、これで丁度いいか
今日は選択を迫られるコースが2ヵ所ある
焼坂は、峠かトンネルか
七子峠まで、どの遍路道を行くべきか
第37番岩本寺
一番迷ったのが、焼坂での選択
焼坂トンネルは966メートルとかなり長い
なのに、歩道に段差がないらしい
焼坂峠コースは距離的にかなり遠回りになる
その上、標高228mと急こう配が予想される
事前に調べた限りでは、焼坂峠を選択した遍路が多かった
理由はトンネルへの恐怖
ここまで遍路を続けてくると、その気持ちは十分わかる
深く納得できる
毎年多くの遍路が歩くのに、四国の道路整備はすごく遅れている
トンネルは特にそう感じる
歩道は白線が引いてあるだけ
暗くて足元も見えない
歩行者に優しくない
そんなトンネルが多い
さらに、四国へ来るまでトンネルを歩く機会がなかった者が驚くことがある
それは、トンネル内の轟音の凄さだ
車がトンネルに入り、出るまでの間、すごい音量で鳴り響く
この轟音に恐怖する遍路も多い
実は昨日まで、焼坂峠に行こうと半ば決めていた
迷ったのは、ポンカンが縁でベテラン遍路Hさんと出会ったからだ
ポンカンを食べ終わって、Hさんにどの道を選択するか聞いてみた
Hさんはトンネルを行け、という
トンネルの方が早いし、右側を歩けば危険はない
ベテランの意見に従って、焼坂トンネルを選択した
トンネル内の安全対策として反射タスキが利用できる
いよいよトンネルに入る
金剛杖には蛍光テープを巻いてある、ヘッドランプも持っている、リュックにも反射テープが付いている
車対策OK,足元対策もOKだ
トンネルを出て思った
いつものトンネルと変わらない
車もそんなに走っていない
轟音も普通レベル
だだ距離が長いだけだった
恐怖は心の中にあったのだ
今日は天気がいいので「大坂遍路道」を行く
大坂遍路道は標高287m
七子峠まで登るだけである
情報によると、雨の日には通行止めになるそうだ
だから、雨天時には別のルートを選択しょう
もうひとつの「そえみみず遍路道」は標高409m
標高287mの七子峠に行くため、そこまで登らなければならない
この辺は手書きのへんろ札が多い
地域の方々のやさしさを感じる
いままでは、なんてことはない普通の道だった
ラスト1km、ここから急な山道が始った
七子峠まで登れば
あとは国道56号線をひたすら歩く
道の駅に着いた
なぜか道の駅周辺のみ、混雑している
ここの豚まんが人気らしい
1個買ってみた
詳しくはこちら
岩本寺に到着
今日は岩本寺の宿坊に宿泊する
岩本寺宿坊
春季大祭中とのことで、みかんやおはぎなどのお接待があった
今日の宿泊者は2名だそうだ
宿泊者が少ないと食事がでない
受付で教えてもらった近所のレストランへ行く
道順を聞いたので迷うことはなかった
注文したのがコレ
かつ玉定食1000円プラス生ビール
豚肉が有名なのかと思い、かつ玉にした
明朝6時からお勤めがある
いままで宿坊には2度泊まった
どうゆうわけか縁がなくて、初めてのお勤め体験になる
あしたが楽しみだ
宿の情報は
四国歩き遍路 20日目 鍋焼きらーめんは最後にご飯と卵で雑炊にしょう
更新2020年8月27日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
20日目の行程
三陽荘⇒別格第5番大善寺⇒ビジネスホテルさつき
三陽荘
朝食は朝7時に頼んでおいた
泊まり客の大半は一般の観光客だ
遍路はちらほら見る程度
知った顔はいない
今日はいい天気だ
歩きやすい
別格第5番大善寺
ここからはコースが分かれる
宇佐大橋をふたたび渡る
のどかな浦ノ内湾に、いかだの釣り堀が浮かんでいた
立目という地区に入った
このあたりはポンカンの産地らしく、あちこちに無人販売所がある
そのうちの一つで試食をしていると、奥の方から女性が出てきた
お遍路さんお接待です
お接待は断ってはならない
荷物になるが、3個ありがたくいただく
しかし、リュックには入らないし、手に持って歩くにも限界がある
さあ困った
坂を下ったところにへんろ小屋があった
丁度いい、ここで食べよう
1個は完食
でも3個はさすがに多い
道行く遍路を見つけると、へんろ小屋から声をかけた
お接待でもらったポンカン食べませんか
3人目になって、やっといただきます、と答えてくれた遍路がいた
持ち歩くと大変なので、この場で食べるという
ふたりで残り2個を完食
ここで出会ったのが、ベテラン遍路のHさんだった
Hさんはポンカンを食べると、ありがとうの言葉を残して去っていった
こちらは後片付けをして出発する
須崎市郊外に入ると、自転車に乗った男性がニコニコしながら近づいてきた
これで缶コーヒーでも飲んで
手には100円玉
お金のお接待は初めて
ありがたく野菜ジュースと交換した
別格の大善寺は近い
別格のへんろシールは色が違う
注意深く電柱を見ていく
地図で見るとわかりやすい大善寺だが、少し迷いながら到着
別格寺については
ビジネスホテルさつき
ホテルに入る前、偶然、鍋焼きらーめんの店を見つけた
ここまで戻るのは面倒なので、そのまま入店した
店内には芸能人の色紙がいっぱい
3時台なのにお客さんが結構入っている
どうも地元の人気店らしい
期待は高まる
来た~
熱々の鍋に 入って来た~
すぐに食べたいが、熱すぎて食べられない
温度を冷ますのと、すぐに食べたい欲求を抑えるため、芸能人の色紙を眺める
石ちゃんの色紙だけは分かった
ほとんどのサインは難しくて読めなかった
鍋に入っただけのシンプルなラーメンに見える
しかし食べて見ると
とんでもない
「鍋焼きらーめん」というジャンルのとてもうまい一品だった
最後はご飯と卵を頼んで、雑炊にすればよかった
悔しいことに、店を出るときメニューを見て気がついた
残念!
しかし、あれだけ人がいたのに、誰も頼んでいない
中途半端な時間帯が災いしたのか
せっかく満ち足りた気持ちになっていたのに
後悔したら腹が減ってきた
4時過ぎにホテル到着
ここはビジネスホテルといってもマンションの部屋貸しのような感じのホテル
幸運にも、隣がラーメンチェーンの店だった
行ってみると中華の定食があった
雑炊の無念をここで晴らした
宿の情報は
四国歩き遍路 19日目 南海トラフ地震対策に携帯ラジオ
更新2020年8月26日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
19日目の行程
民宿高知屋⇒第33番雪蹊寺⇒第34番種間寺⇒第35番清瀧寺⇒第36番青龍寺⇒三陽荘
民宿高知屋
遍路に出る動機は人それぞれだ
ただ歩いて四国を巡りたい人ばかりではないのは、もちろん承知している
高知屋で出会った女性遍路は1日1寺と決めて巡礼しているらしい
明るい笑顔でそう話した
お寺で一日中過ごすのは並大抵ではない
明るい笑顔とは反対に、深い事情があるのがわかる
遍路に来た動機は聞かないのがマナーだ
遍路が話さない限り、聞くひとはいない
今日は弱い雨が降っている
宿の目の前に雪蹊寺はある
少し迷ったが荷物を預けず、出発する
第33番雪蹊寺
参拝を済ますと、境内であの女性遍路を見た
この雨のなか、この狭い境内に一日中いるのだろう
第34番種間寺
雨のためか参拝者が誰もいない
静かなお寺だった
納経所でお接待のお菓子をいただく
第35番清瀧寺
ちいさなへんろシールだが
これを見逃すと大変だ
見落としたら最後、道に迷うことになる
だから、ボッーと歩く訳にはいかない
目に入りやすい遍路案内
もしこれらを見落とすなら、だいぶ疲れている証拠だ
少し休憩したほうがいい
雨の中、これをお接待で配るおじさん(?)がいた
年下かもしれないが、とにかくおじさんだった
こんな日でも配っている
毎日の行いだろうか
第36番青龍寺
宇佐大橋が見えてきた
雨は止んだが、風がやや強い
長い橋
風の吹く日に渡りたくない橋だ
この橋を明日また、渡らなければならない
風は勘弁してもらいたいものだ
写真を撮ったあと、団体さんがどっと押し寄せてきた
今日一番、賑わいのあるお寺だった
野球や相撲で有名な明徳義塾高校が近いらしい
運動部はこの寺の長い階段を利用して、トレーニングをするのだろう
これは有名な話だ
三陽荘
立派な旅館というより、観光ホテルに近い
館内の通路には訪れた有名芸能人の写真でいっぱいだ
大浴場はなんと、温泉だった
塩辛い湯、はじめてだ
ゆったりとした、広い風呂
疲れが取れる
部屋は遍路特典で、ツインのシングルユースだった
夕食はどの品も料理人が作ったプロの味だ
美味しかった
夕食を食べて、ベットに入るとバタンキュー
毎日のニュースは知っていたいと思っていた
だが、遍路の期間中、ほとんど世の中のことを知らずにいた
そもそも部屋のテレビを点けることがなかった
宿に入ると、翌日からの準備に集中したいから、テレビの音声はじゃまになる
ベッドや布団に入ってテレビを点けると、スイッチを切らずに寝てしまう恐れがある
朝は、準備運動と足のテーピング作業をする
この時もテレビはなし
遍路宿で早くからテレビを点けると隣の部屋の迷惑になるからだ
携帯ラジオはある
歩きながら聴くつもりで持ってきた
だが、そんな余裕はなかった
耳より眼に集中しなければならない
そもそも四国では放送局が少ない上、電波の関係で道中よく聞こえないことが多かった
遍路に来ると、世の中のことより、今日や明日の自分のことを優先することになる
ここで早合点して、携帯ラジオを送り返さないでほしい
四国の太平洋側を歩くと、津波対策の避難施設がいやでも目に入る
宿には地震災害を想定した避難場所の地図が置いてある
遍路もそこを歩く限り、地震対策を意識する必要がある
電気が止まると、スマホに頼るわけにはいかない
予備のバッテリーを持っていてもだ
その時、携帯ラジオが遍路を助ける唯一の道具になる
予備の電池も持っていこう
自然を甘く見ないほうがいい
近年日本では、いやというほど経験しているのだから
四国歩き遍路 18日目 初めて35km以上を歩く
更新2020年8月25日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
18日目の行程
民宿喫茶きらく⇒第29番国分寺⇒第30番善楽寺⇒第31番竹林寺⇒第32番禅師峰寺⇒民宿高知屋
民宿喫茶きらく
四国遍路を歩きたいと思ったのが、10年ほど前
それ以来、30冊以上の本を読んできた
その中で参考になった本をまとめたのがこの記事
「私のお遍路日記」は何度読んだだろう
面白いし、ためになる
「喫茶きらく」のことも書いてある
女将さんはご存じなかった
ここの最大の魅力は朝のパン食だと書かれていた
だから、朝食は楽しみだった
うっ、パンが、
パンが、小さい
なんで?
女将さんから声がかかった
お代わりあるから、いるなら言って
本当ですか
ありがたい
遠慮なくいただきます
楽しみにしていたパン食なのだ
しかも、今日は長距離を歩く
いつも以上にエネルギーを必要とする
第29番国分寺
途中、Sさんと出会い、その後Eさんとも合流した
三人で国分寺へ向かう
お二人共、66歳になるという
出会う遍路はなぜか年上が多い
第30番善楽寺
高知市に入った
ふたりとは国分寺で分かれた
三人から一人になると、道を間違えないか、不安になる
今日はスピードを上げないと、宿に着く時間が予想できない
隣は土佐の圀一宮の土佐神社
これで四国四県、すべての一宮にお詣りしたことになる
第31番竹林寺
竹林寺には名物の羊羹がある
車道での早歩きと竹林寺への登りでだいぶ疲れた
納経所でペットボトルいっぱいの水をもらい、休憩所でかりんとう等のお菓子とお茶を3杯いただく
これでエネルギーチャージ、完了
第32番禅師峰寺
竹林寺からの下りの道がわからず、だいぶ時間と体力をロスしてしまった
禅師峰寺まで約6キロ
苦手な車道を急ぐ
やっと着いた
と思ったら、ここから少し山道を登る
道の途中に「マムシ注意」の看板
だが、注意力が散漫になってきている
マムシ、踏まなければいいが
当初の予定では、ここから近い船宿風の民宿に泊まることにしていた
「鮒の里」「ふれあいの里さかもと」と二日続けて同宿となったベテラン遍路がいた
経験豊富なその人から別の宿を勧められた
絶対オススメだから
予定を変更するとなると
距離も長くなり、時間もかかる
迷っていると
あなたなら十分歩けるし、なによりいい宿だからと繰り返された
それで予定を変えた
宿に予約を入れた時、「喫茶きらくさんからだと、到着は6時ごろですね」と言われた
民宿高知屋
いつも出発は遅い、今日もそうだった
でも昼食なし、休憩なしだからもう少し早く着くだろう
朝はそんな気持ちだった
ところが、思いのほか時間がかかってしまった
時間がないので焦る
県営フェリーの乗り場を目指す
もう脚がフラフラする
小学校が近いのか、下校中の児童によく出会う
あいさつをする子が多い
四国遍路初日の後悔を繰り返してはならない
ひとの気配に集中して歩いた
やっと到着
フェリーには待合所で30分以上待って乗船
無料なのがすごい
潮風にあたっていると気持ちがいい
疲れを忘れさせる
5分ほどで対岸に着いた
そこから高知屋へ
大した距離ではない、しかし、すごく長く感じた
女将さんの予想したのと、そう違わない時刻に着いた
普通に歩いていれば、この時間に着けない
健脚ばかり利用する宿なのか
それとも、致命的に道を間違えたのか
考える間もなく
すぐに風呂へと案内された、そして夕食
他の遍路はすでに食事をしていた
この日、最後の宿泊者になった
宿の情報は
四国歩き遍路 17日目 文旦のバラ売りを高知で探しまわる
更新2020年8月24日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
17日目の行程
ビジネスホテル弁長⇒第28番大日寺⇒民宿喫茶きらく
ビジネスホテル弁長
昨夜は十分休めなかった
とりあえず朝食だ
Sさんの姿は見えない
Eさんは相変わらず、入り口の隅の席にいる
「昨日はよく眠れなかった」とEさん
どの部屋も同じ状況だったと納得した
このホテルに泊まる予定ではなかった
泊まる予定のホテルは、予約の電話を入れた7日前にすでに満室だった
高校野球部の合宿があるので、と電話で言われた
このホテルも満室だったらしい
小さな町だと泊まる所も限られる
予約するのが遅かった遍路は苦労したに違いない
第28番大日寺
泊まる予定だったホテルが部屋の窓から見えていた
外に出て見ると、さらに立派に見える
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」で太川さん、蛭子さん、マドンナの遠藤久美子さんが泊まったホテルだ
それだから、泊まりたかったのに
途中、安芸赤野郵便局で不用品を自宅に送り返す
ゆうパックをお願いしたら、レターパックというものを勧められた
少し歩くとお接待所が見えた
今度は善根宿だ
昨夜は宿泊場所が満室なので、ここに泊まった遍路も多かったとあとで知った
この道は本当に歩きやすい、いい道だ
自転車道だが自転車はほとんど走っていなかった
昨日から尾を引いて、文旦のことが気になって仕方がない
道の駅やスーパーをのぞいて見ても、残念ながらバラ売りはない
1軒の食料品店でバラ売りの文旦を見つけた
だが、いかにも訳ありな商品
見た目からして美味しそうに見えない
土佐では一個買いする人がいないのか
そんな気がするほど見つからない
いよいよ、高知が近づいてきた
香南市に入る
途中合流したSさんと共に歩く
お店を見つけると別れて店に入る
文旦はない
追いつけば、また一緒に歩く
高知大ヨット部が頑張っていた
大日寺は近い
文旦は遠い
桂浜も近くなった
Sさんもヤレヤレという表情
少し前、また追いついて合流した
ほとんど昼食も休憩も取らないなので、たとえスーパーに立ち寄っても追いつくのはけっこう簡単だ
ここにはうれしいサービスがある
大日寺の参拝が終われば、宿はすぐそこだ
民宿喫茶きらく
女将さんは不在だったが、メールが来ていたのでそれに従い部屋に入る
風呂と洗濯が済んだ頃、女将さんが帰ってきた
夕食はもう一人の遍路とふたりきり
だが、女将さんも話しに加わって楽しい夕食だった
広島から来たこの若い遍路は非常に人懐っこい
話しやすい雰囲気のせいか、ひとから聞いた情報が豊富だった
昨夜、泊まる所がなく困っていた遍路たちの様子も彼から聞いた
女将さんにいまだ食べられない文旦の話をした
文旦、あるよ
と言ってお接待で出してくれた
まさかここで食べられるとは
文旦の苦労話を聞いてもらえてよかった
お接待の文旦は思った以上に美味だった
宿の情報は
四国歩き遍路 16日目 神峯寺の水源は名水「神峯の水」だった
更新2020年8月22日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
16日目の行程
ホテルはなり⇒第27番神峯寺⇒ビジネスホテル弁長
ホテルはなり
朝食は超軽めのバイキングだった
おかずはなんと漬物だけ
400円だからしかたがないか
それでも、今日は神峰寺の山登りがある
エネルギーを補充しなければならない
おにぎりを6個完食
美味しいゆずジュースもお代わりした
朝食会場のレストランでSさんには会えなかった
もう、出発したのだろう
第27番神峯寺
今日もいい天気だ
これだけ道案内があれば、迷うことはない
しかし、油断は禁物だ
ガードレールや電柱に常に注意を向ける
そうしないと、へんろシールを見落とすことになる
登りに入った時、Iさんが下ってきた
生本旅館でも同宿だったIさんだ
70歳は超えているはずのIさん
見れば、元気はつらつだった
まっ縦と呼ばれる神峯寺の急坂は、思ったほどではないのかもしれない
今までに「一に焼山、ニにお鶴、三に太龍」と言われる難所を乗り越えて来た
あの難所に勝る山道はそうそうないだろう
そう思って登り続ける
ふぅ、到着
途中、何度もへんろ道と車道が交差している
時にへんろ道を歩き、時に車道を歩いた
気ままに歩いたせいか、まっ縦といわれる道に気がつかなかった
どこだったんだろうか
記念に一枚
今日は天気がよすぎるためか
朝食の、おにぎりや漬物の塩分のせいか
喉が渇いてしかたがない
そう言えば、このお寺には名水があった
「神峯の水」だ
参拝を済ませて行ってみると、龍の口から水がチョロチョロ流れているだけではないか
時期が悪かったのか
これではペットボトルを満杯にするのも大変だ
流れの下に溜まった水にはゴミが浮いていてる
これも飲む気になれない
残念だが、諦めることにした
水分は国道に戻ってから補給しよう
トイレから出てふと見ると
納経所の向かいに休憩所らしき小屋がある
ひょっとして
覗いてみると、おっ水道がある
庭掃除をしていた僧侶に尋ねると
境内の水はすべて神峯の水を使っています
飲料可能です
もちろんあの水道も神峯の水です
ご自由にどうぞ、と言われる
蛇口をひねると水がジャーと勢いよく流れ出す
さっそく何杯かいただき、ペットボトルも満タンにした
うまい名水を堪能できた
ラッキーだった
安芸市に入った
だいぶ先を歩いている遍路がひとり
Sさんに似ている気がする
やっと道の駅大山で追いついた
売店で何やら買っているはやっぱりSさんだった
お接待でもらった文旦が美味しかったので、長野の自宅に送るそうだ
文旦?
小夏とポンカンは先日お接待でいただいた
文旦は食べたことがない
興味が湧いた
ただ、文旦は箱入りか袋入りしか売ってなかった
箱や袋はさすがに重たくて持ち歩けない
試しに食べるには個数が多すぎる
文旦は今が旬だと言う
Sさんのように土佐の特産品を自宅に送るか
妻に電話した
美味しいかどうかわからないなら、いらない
もったいないから送らないで
送るのは止めにした
Sさんより先に出発
ビジネスホテル弁長
夕食は2階にあるファミリーレストラン蝶でいただく
夕食を食べ終わって、出口に向かうと
奥の席に金剛頂寺宿坊の夕食で一緒だったEさんがいた
Eさんはまだ食事中だ
「お久しぶりです」と声をかけただけで、すぐに失礼する
丁度その時、Sさんが階段を登っているのが見えた
どこか寄り道でもしてたのだろうか
ずいぶん遅い到着だった
宿の情報は
四国歩き遍路 15日目 室戸岬を過ぎたら無理をしない
更新2020年8月22日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
15日目の行程
金剛頂寺宿坊⇒ホテルなはり
金剛頂寺宿坊
昨日あれだけ食べても、朝には腹が減る
朝食が待ち遠しかった
今日はいつもよりゆったりとした行程だ
また、どこかに寄り道したい
住職の奥さんに聞いた
不動岩付近で空海は修行したらしい
近そうなので行ってみることにした
ホテルなはり
どっちへ行けばいいのか
間違いやすい案内
直進が正しいことを、身をもって知った
これも修行か
ここに不動堂があり、その裏手が海岸になる
金剛頂寺はその昔、女人禁制だったため、女性は不動堂にお参りしたという
祠がまつられている
空海の足跡発見!
海岸には修行にふさわしい岩がたくさんある
この付近は短い遊歩道が整備されているので散策に最適
ここは大昔、海底だったらしい
階段を下りると海底だったことが体験できるそうだ
行かなかったけど
もう奈半利町に来てしまった
このペースならこのまま第27番神峯寺に行き、ホテルまで戻っても良かった
ただ、室戸岬あたりで体調を崩す遍路が多いと事前に聞いていたし
鶴林寺でも、ロッジおざきでも、脚を痛めてリタイアする遍路を見てきた
しかも、神峯寺は「まっ縦」といわれる急坂を登るらしい
無理は禁物だ
今はこの順調さを維持することが大事だろう
そう思って、予定を変えなかった
ホテルに着いたが、チェックインまで、まだかなり時間がある
どうするか
おっ、レストランは営業中だ
なら、だいぶ早いが夕食にしょう
ホテルに入る時間までレストランでゆっくりした
チェックインすると
6時以降は団体さんが着きますので、お風呂が混雑します
フロントで教えてもらったので、
部屋から即大浴場へ行く
ここは露天風呂もある
誰もいない湯舟でのんびり
風呂がら上がって、「くつろぎの間」の無料マッサージチェアで癒される
そこへ2番目の入浴客として入ってきたのが、ロッジおざき前で別れたSさんだった
室戸を過ぎてからは無理をしないと決めているという
考えることは皆同じだ
Sさんが昨夜泊まった「徳増」は遍路より工事関係者が多かったらしい
騒々しくて、ゆっくりできなかったそうだ
さて、部屋に戻るといつも決まってすることがある
まず、7日後に泊まる宿の予約だ
この日は岩本寺宿坊を予約した
次に納札に名前等を記入
ひとつのお寺で2枚必要だし、お接待を頂いたときにも差し出すので、すぐなくなる
今日は八十八ヵ所用のみ記入
別格用の納札もあるがまだ大丈夫だ
納札は巡礼回数によって色分けされている
4回までは白、5回~7回緑、8回~24回赤、25回~49回銀、50回~99回金
100回以上が錦、となっている
別格の白札はあまり減らないので、お接待のお礼に別格の納札を差し出すことも多かった
最後に5円玉の枚数確認
たくさんあると、重いので計算しながら補充する
5円玉はほとんどの納経所で両替することができる
外はまだ明るいが、もうすることもない
身体はもう眠りを求めている
四国歩き遍路 14日目 金剛頂寺宿坊、夕食の料理が半端ない!
更新2020年8月21日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
14日目の行程
民宿ロッジおざき⇒第24番最御崎寺⇒第25番津照寺⇒第26番金剛頂寺⇒金剛頂寺宿坊
民宿ロッジおざき
遍路をしていると早起きになる
宿の朝食は早い
だから自然と早朝に目覚める習慣がつく
毎日疲れているので、眠むるのはあっという間だ
睡眠が深い
だから、早起きが、苦になることはない
それに、朝から歩かなければという気力が早起きを後押しする
この日は特に朝早く目が覚めた
部屋の前には太平洋が広がっていた
晴天ならば朝日が見えるのでは・・・
そう思ってカーテンを引くと
予想はズバリ当たった
朝食のため部屋から1階に降りると、山茶花、生本旅館と同宿だったIさんが居た
ほとんどの遍路はもう出発していた
最後はIさんとふたりだけの食事となった
2階の部屋に戻り、準備を整えて、出発する
玄関に靴がまだ残っている
またIさんが最後だ
第24番最御崎寺
今日は久しぶりに目的地がお寺だ
朝から何だかウキウキする
ただ国道を歩くだけではつまらない
少し寄り道をしょう
そう思って御蔵洞へ行く
弘法大師修行の地は、立ち入り禁止になっていた
歩いていると、室戸岬とある
えっ、これが室戸岬!
思っていた感じと全然違う
なんか味気ない
お寺から灯台まではすぐそこだった
灯台から見た太平洋がこの写真
室戸岬の雰囲気を充分に味わう
やっぱり、あの看板と岩だけでは雰囲気がでない
第25番津照寺
朱色の山門をくぐると、長い急こう配の階段が待ち受ける
第26番金剛頂寺
明日泊まる予定の「ホテルなはり」の割引券がお寺に置いてあるという
幸いなことに今日の泊まりは、金剛頂寺宿坊
ゆっくり探せばいい
いつも、へんろ道案内には助けられている
へんろシールやへんろ札、へんろ道石柱など様々な道案内
これらの道案内なしでは、順調に四国遍路を巡ることができない
遍路地図も必需品ではある
しかしこの地図だけで、四国遍路を歩くのは至難の業だ
今はグーグル・マップもある
ありがたいと思わなければいけない
金剛頂寺宿坊
また一番乗りだ
大きな風呂に独りだけ
ここぞとばかりに、ゆっくり浸かる
風呂から出て、のんびりと洗濯
部屋はかなり広い
ひとりで泊まるのが、もったいないくらいに
宿坊は本来団体専用なんだろうなと思う
無料券のことを宿坊のひとに聞いた
納経所にあったはずです
こちらの記憶と違うことをいう
見落としたか
納経所に行ってみるがなかった
誰かに先を越されてしまったのか
ここの夕食も豪華だった
中華料理店にあるようなテーブルに宿泊者4名が座る
回転テーブルの上には、カツオのたたきなど大皿に乗った料理がすでに数皿置かれている
各自の料理も一人前づつテーブルに並べてくれる
目の前は料理の乗った皿だらけだ
その上、住職の奥さんが、これも食べてと追加で料理を運んでくれる
空いたところに置いていく
手前に並べられた料理から手をつける
あとから来たので写真はないが、白飯、赤飯、素麺の汁物にデザートまであった
大皿の料理にも少しずつ手を付ける
が、なにしろ量が多すぎる
4人しかいないのだ
だめだ、もう食べられない
ギブアップだ
食堂のテーブルに並ぶ料理を見て、今夜はビールを頼まなかった
正解だった
他の遍路は席に着くと、即アルコールを頼んでいた
だから料理の方は早々とリタイヤし、箸を置いている
こんなに腹が膨れた状態でお勤めは大丈夫か
すこし心配になる
そういえば案内もなかった
他の遍路はアルコール漬けで気にならないのか
住職の奥さんに聞いてみた
うちは5名以下だとお勤めはしないんです
ゆっくりしてください
みんなから安堵の声がもれた
四国歩き遍路 13日目 自分探しなんてとんでもない
更新2020年8月20日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
13日目の行程
生本旅館⇒民宿ロッジおざき
生本旅館
Sさんは朝食を食べて、すぐ出発した
Iさんがやはり最後になった
今日も国道を歩くだけだ
疲れる一日になるだろう
でも、今日やっと高知県に入れる
生本旅館でもらったお接待のチョコを県境で食べよう
民宿ロッジおざき
途中トイレを借りた道の駅「宍喰温泉」では、もう春の香りがした
迷うことのない道をひたすら歩く
こんな時は何か考え事が出来ると思っていた
ところが、考えることはいつも決まっている
脚の状態、飲み水の残量、夕食のこと、あと何時間歩けば宿に着くか・・・
自分探しなんてとんでもない
今必要なことだけで、頭はいっぱいなのだ
のんびり何かを考える余裕など、なかった
高知県に入った
果物店のお母さんから、かんきつ類のお接待
愛媛がみかん王国なのは知っていた
高知もかんきつ類の産地なのだ
小夏はジューシー、ポンカンはオレンジのような甘さだった
丸石が多いゴロゴロ浜
波によって丸石が転がり、ゴロゴロ鳴るそうだ
今日の波は静かで、道路まで音は聞こえない
はるか先に岬が見える、集落も確認できる
多分そこに今夜の宿があるだろう
そう思って、歩いていると
だんだんと次の岬が姿を現す
いやな予感
結局、最初に見た岬の集落に目指す宿はなかった
しかたなく、次の岬に向かって歩く
この繰り返し
期待して歩いては、たどり着いてがっかりする
また気を取り直して歩く
この繰り返しは、精神的にものすごく疲れる
精神的に疲れると、脚にもダメージが及ぶ
もう、ヘロヘロだ
昨日食べ過ぎたので、今日は夕食を頼んでいない
食料品の調達をしたい
ところが、道沿いに店はない
やっと小さなコンビニ風の店を見つける
遍路が大勢いた
この店以外の選択肢がないのだろう
なんとか夕食を確保した
少し先を同宿だったSさんが歩いてるのが見えた
Sさんの足取りも重そうだ
追いついて、ここまでの道のりの大変さを確認しあった
Sさんはロッジおざきより先の「徳増」を予約しているらしい
ロッジ尾崎の看板が見えた
やっと着いた
ここでSさんとはお別れだ
まだ歩かなければならないSさんは、恨めしそうに去っていった
宿の情報は
四国歩き遍路 12日目 生本旅館の夕食に驚いた
更新2020年8月19日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
12日目の行程
国民の宿うみがめ荘⇒別格第4番鯖大師本坊⇒生本旅館
国民の宿うみがめ荘
朝食はバイキング
広い食堂に3人しかしない
4階建ての大きな建物だが、館内に人の気配がしなかったはずだ
展望大浴場の件もうなづける
今日も雨模様だ
玄関ロビーで出発の準備をする
別格第4番鯖大師本坊
国道の歩きが続く
昨日と違い小雨なので歩きやすい
牟岐町を通る
牟岐警察署はどこだろう
敷地内に接待所がある珍しい警察署
どんな接待か気になる
警察署を見つけた
ただ、今日は接待所をやってないようだ
雨の日だからなのか
前を歩く遍路達は牟岐の遍路小屋方面に曲がっていく
何かあるのかもしれない
休憩する気はない
警察署の接待所以外、興味もない
そのまま直進する
牟岐から浅川までの海岸線は「八坂八浜」といわれ、景勝地として知られているらしい
ここまで来れば、宿は近い
途中、地元のホームセンターに立ち寄る
ダルマロウソクを補充する
生本旅館
部屋に案内されると
お茶と和菓子が用意されていた
即いただく
宿では着いた順番に風呂に入る
先着がいたので、呼ばれるまで部屋でくつろぐ
風呂に行く前、女将さんから洗濯物はネットに入れてと言われた
お接待で洗濯してくれるという
ありがたい
これで寝るまでの作業がひとつ減った
風呂から出ると洗濯物の入ったネットが返ってきた
自分で部屋干しをする
洗濯物の数が多いので全部干せるか心配だった
そこは旅館を信用しょう
大丈夫なようにしてくれる
しばらくして、食事の案内があった
夕食が用意された部屋に行こうとすると
山茶花で同宿だったIさんと出会った
あの宿を最後に出たおじいちゃん遍路だ
一番風呂はIさんだったらしい
道中での出来事をお互い話しながら夕食の部屋まで来た
ところが、部屋に入った途端
テーブルに並んだ料理の豪華さにふたりとも口をつぐんでしまった
なんだこれは
これが本当に一人前か
品数が多すぎるだろ
はたして、食べ切れるのか
もうひとりの遍路、そば職人のSさんも驚いている
食べはじめると品数の多さが気にならなくなった
どれも美味しいからバクバク食べられる
結局、完食した
ご馳走様でした
大満足です
このご馳走を同じく腹いっぱい食べた、IさんとSさん
このお二人とは今後、再々出会うことになる