四国歩き遍路 11日目 ウミガメを見る
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
11日目の行程
山茶花
夕食とは違い、少人数の朝食
ベテラン遍路は皆、やはり朝早く宿を後にしたらしい
今日は雨が降る予報だ
しかし、個室でゆっくり休めたので、気力は充実している
いつなら宿を出るのは一番最後だ
今日はもっと遅いおじいちゃん遍路がいた
宿を出る時、女将さんからお接待をいただいた
ありがたい
第23番薬王寺
本格的に雨が降ってきた
途中、由岐坂休憩所で雨具を着る
雨足が強くなる
山道は川になる
防水性の靴でも濡れてしまう
顔を拭こうとした
あれ、ズボンのポケットに入れていた水色のハンドタオルがない
普通のズボンの上にレインズボンを履いている
タオルを出すとき、何かの拍子で落ちたのだろう
安物だが、雨の日にタオルがないと困る
リュックから新しいものを取り出すのは面倒だ
時間はまだある
で、捜すことにした
そこらへんに落ちているだろう
そう思って、来た道を戻る
道の上には何も落ちていない
どんどん戻る
あれっ、こんな場所通っただろうか
風景に見覚えがない
うわ、来た道がわからなくなった
へんろ道には要所要所にへんろシールやへんろ札がある
逆に歩くとそれが見えない
逆打ち遍路の大変さが、少しだけわかった気がした
結局、タオルがないことに気づいた地点まで、戻ってきた
無駄な歩きで大変疲れた
諦めるか
いや、もう一度捜そう
今度は用心深く、来た道をまた戻る
すると、すぐに右へ曲がる道があった
さっきは曲がらなかった
こっちかもしれない
数十歩行くと、濡れた水色が道の上に見える
ハンドタオルだ
見つけた、やっと
しかも、こんな近くで
これも修行か
薬王寺へは国道を通るコースと海岸を行くコースがある
国道は味気ない
遠回りだが、海岸コースにする
田井ノ浜駅に着いた
この駅を見るのも海岸コースを選んだ理由だ
駅の前から砂浜が広がる珍しい駅
海水浴シーズンは楽しいだろう
薬王寺のシンボル、朱塗りの塔が山の方向に見えてきた
ようやく薬王寺に到着
ここは厄除けのお寺として全国的に有名らしい
珍しいのは、参道の階段に小銭がいっぱい落ちていること
国民の宿 うみがめ荘
今日も外食だ
店はもう決めている
詳しくはこちら
ここ日和佐は赤ウミガメの産卵地として有名だそうだ
産卵時期には多くの観光客が訪れるらしい
水色ハンドタオルの捜索で時間をロスしてしまった
しかも外食だったので、宿の到着はいつもより遅かった
なのに、展望大浴場は独りぼっちの貸し切り状態だった
なぜ?
宿の情報は
四国歩き遍路 10日目 コンクリートの長い坂はトコトコ歩きで
更新2020年8月20日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
10日目の行程
金子や⇒第20番鶴林寺⇒第21番太龍寺⇒舎心ヶ嶽⇒第22番平等寺⇒山茶花
金子や
一に焼山、二にお鶴、三に太龍といわれる
険しさの順位だ
今日は一度に、二と三を参拝しなければならない
しっかり朝食を食べて、と思ったら
パワー不足になりそうな朝食だ
昨日トンカツ定食で正解だった
歩く前、部屋でストレッチを念入りに行う
宿から出るとすぐに坂道が始まった
第20番鶴林寺
急坂の連続で、多くの遍路が悲鳴を上げていた
コンクリートなどの急坂を普通に登ると途中で疲れてしまう
疲れるとどうしても、坂の途中でいったん立ち止まる
すると、もう歩けない
急坂を登るにはコツがある
歩幅を極端に小さくしてトコトコ登るのだ
おかしな格好に見えるのだろう
周りのひとがアレッ、と微笑するのがよくわかる
しかしこの登り方だと、余分な力がかからない
長い坂でも、一度も休まず登り切れる
大股にする、一気に駆け上がる、普通にハアハアいいながら登る
それぞれ自分のやり方で坂道にチャレンジする
トコトコ登りはスピードは一番遅い
遅いから、うしろから来た遍路が簡単に抜いていく
だが、しばらく行くとその遍路がへばって休んでいる
力を出しすぎて、呼吸が乱れたのだ
その横を、トコトコ登りで抜いていく
この登り方だと息が乱れないのだ
結局、山門にたどり着くまでの時間はどの登り方より短く
しかも、あまり疲れない
体力はできるだけ温存しょう
白衣に押してもらうため、昨日洗濯を済ませている
第39番延光寺の「亀」の御朱印とあわせれば、鶴と亀で縁起のよい白衣が完成する
第21番太龍寺
Sさんの乗る車は、早くも立江寺から鶴林寺に向かっているらしい
車遍路の道順は全然分からない
早いのか、遅いのか
どちらにしても、自分のペースで歩くしかない
納経所では舎心ヶ嶽にいくことを勧められた
また少し登って、舎心ヶ嶽へ行ってみる
舎心ヶ嶽には誰もいなかった
左下に小さく見えるのがロープウェイ駅だ
第22番平等寺
平等寺にどうにか到着
まだ、Sさんは来ていなかった
参拝を終え、境内のベンチでSさん一行を待つ
平等寺までは本当にキツかった
時間が気になってペースを乱したからだ
しばらくしてSさんと合流
奥さんとSさんの知人二人も乗っていた
歩いてここまで来ていることが信じられないと
皆さん、しきりに感心され、励まされた
山茶花
Sさん一行は、次の札所薬王寺へ車を走らせた
ここは新館を予約していた
山茶花は遍路に評判の宿だ
新館はホテルのよう
なおさら気持ちがいい
夕食は旧館で大勢でいただく
今日は遍路のベテランさんが多く、いろいろとアドバイスをしてくれる
ここに居るベテランさん達は皆、朝暗いうちから歩いているらしい
だから、四国一周を短期間で巡れる
歩くのは速いのに、なんで日程がこんなにのんびりなのと
呆れられてしまった
宿の情報は
四国歩き遍路 9日目 穴禅定はひとりがいい
更新2020年8月20日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
9日目の日程
ふれあいの里さかもと⇒別格第3番慈眼寺⇒金子や
ふれあいの里さかもと
雨はやんだ
朝食に珍しいおかゆが登場
疲れた胃腸にやさしい気遣い
でも、おかゆだけでは食べた気がしない
結局、ご飯もいただいた
ここでは慈眼寺に行くための手作りマップを用意してくれている
担当の方から要点の説明もある
道に迷う心配は消えた
別格第3番慈眼寺
まず坂本町の旧街道を行く
荷物の大半は宿に預けてあるので、身軽だ
街道沿いの家や店の軒先で趣向を凝らしたひな飾りが並んでいる
他ではなかなか見られない風景
遍路に来たことを一瞬忘れて、気分は観光客だ
山道を登る
昨日のような雨の日ではかなり滑りそうな道だ
無理をせず、正解だった
慈眼寺に参拝者は誰もいない
ここは大師堂だ
本堂はここから急坂を登った先にある
ヤレヤレ
急坂を一気に登る
なかなか登り甲斐のある坂だった
本堂から大師堂に戻り、参拝、納経
穴禅定を申し込むと
このすき間を通り抜けられないひとは受付できませんと言われる
何、この幅
狭すぎる
お遍路さんなら、ギリギリかも
受付のひとに励まされる
挑戦してみる
やった、ヨイショじゃなかった
ちゃんと通った
受付のひとが部屋に案内してくれ、穴禅定用の白装束に着替える
昨日雨だったので、念のためとカッパも渡される
穴の中で水滴が落ちるらしい
真っ暗な鍾乳洞のなか
灯りは渡された1本のロウソクだけ
心細い限りだ
ひとり3000円だった
2人で受付すれば1人1500円、3人以上なら1000円になる
誰か相手が見つかれば、安くなるのにねぇ
今日は誰も居ないから、と慰められる
先達さんがやってくる
先達さんの指導なしで複雑な鍾乳洞を抜けることはできない
では行きましょう
本堂に向かう
まさか、もう1度、急坂を登るとは思わなかった
暗闇の鍾乳洞に入る
両腕、両脚、腰、首、頭、すべて先達さんの指示どおり動かさないと、狭い穴を抜けられない
ところがどっこい、指示どおりに身体が動かない
すると、身体が穴に挟まり、どうにも動けなくなる
もう、パニックだ
何度パニックになっただろう
心臓に悪影響がなければいいが
今回はひとりだけなので、ロウソクは先達さんが持ってくれた
両手が空いていても、このざまだ
マンツーマンで指導してもらっても、結果パニックだ
なぜ穴禅定を申し込んだのか
途中何度も、後悔で泣きたくなった
それでも、先達さんに励まされ、粘り強く指示されたおかげで、鍾乳洞から無事出られた
終わってみると、汗びっしょりだった
本堂から下っていると、すがすがしさを感じた
達成感っていいもんだ
気になったので、受付で聞いてみた
団体さんが鍾乳洞に入るときはどうするんですか
先達さんの指示をうしろのひとに伝言しながら穴を抜けていきます
もちろん、伝言は正しく伝わらないので、その都度先達さんがフォローします
その分、時間はかかります
なかには、身体が抜けず、引き返すひともいます
今日はマンツーマンで本当によかった
金子や
「ふれあいの里さかもと」に戻り、預かってもらっていた荷物を受け取って、「金子や」まで歩く
宿の夕食は頼まなかったので、今日は外食だ
「道の駅ひなの里かつうら」にある喫茶オレンジでトンカツ定食を注文する
久々のトンカツ、珍しくビールのない夕食
鶴林寺へ行くには、最適の宿だ
今日も宿泊客は多い
電話が掛かってきた
知人のSさんからだ
脚が悪いため車遍路を重ねているSさんと、明日平等寺で落ち合うことになった
Sさんには遍路に行くことを伝えていた
うゎ、プレッシャーだ
22番平等寺まで何時間かかるかわからない
明日の朝、1番霊山寺から順に巡るそうだが、相手は車だ
歩いて間に合うのだろうか
宿の情報は
四国歩き遍路 8日目 雨具の機能を試す
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
8日目の行程
鮒の里⇒ふれあいの里さかもと
鮒の里
朝から雨
四国に来て、初めての雨
雨具をリュックから出す
ミズノのアウトドア用レインウェア上下と完全防水ポンチョだ
どちらも今まで試す機会がなかった
雨天の場合、リュックカバーがあまり役に立たないことは調べて知っていた
リュックを濡らさないためにはポンチョしかない
雨具は決まった
まずレインズボンを履く
ポシェット、リュック、さんや袋に続き、最後にポンチョを被る
菅笠にはビニールカバーをつける
万一雨が侵入しても困らないように、リュック内のものはチャック付きポリ袋にそれぞれ入れてある
地図も同じくポリ袋に入れて、手に持つ
これで雨対策は完璧のはずだ
いつものように、宿は最後に出る
ふれあいの里さかもと
雨は防げるが、汗はそうはいかない
けっこう汗が流れてくる
すると、だんだん喉が渇いてきた
水の入ったペットボトルはリュックのサイドポケットだ
簡単には出せない
ラッキーなことに、ちょうどローソンが見えてきた
そこで、水分補給
ポンチョの短所は欲しいものをすぐに取り出せないことだ
一度脱ぐとその時ポンチョに付いた水滴が散って、濡れることもある
ポンチョは風に弱いとよく言われる
実際、軽いポンチョは風が吹くとすぐめくれあがる
すると、めくれた部分が濡れてしまう
その対策として選んだのが完全防水ポンチョ
生地に適度な厚みがあるので、風にめっぽう強い
めくれて濡れることはなかった
今夜の宿に着いてしまった
まだ12時前である
雨は止まない
この格好で時間つぶしは難しい
困った
「ふれあいの里さかもと」さんは遍路の間でも親切な宿として有名だ
非常識を承知でチェッインが可能か聞いてみた
なんと、暖かく迎えられた
助かった
まず、ポンチョとレインズボン、トレッキングシューズを乾かすためにボイラー室へ案内された
大浴場はいつでも入れますよ
それではと、即入浴
風呂にゆったりと浸かり
洗濯、乾燥が終わると後は何もすることがない
タイミングよく思い出して
「鮒の里」さんがお接待してくださったお握りを食べる
お腹もふくれ、親切と風呂で気持ちよくなり、夕食まで眠ってしまった
夕食の案内があり、食堂へ行くと
鮒の里で同宿だった女性遍路がいた
別格の慈眼寺を今日参拝してきたという
なぜ行かなかったのかと、問われて
穴禅定を体験したかったから雨の日を避けたと、答えた
明日はいよいよ穴禅定だ
晴れればいいが
宿の情報は
四国歩き遍路 7日目 懐かしの徳島駅
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
7日目の行程
鱗楼⇒第17番井戸寺⇒第18番恩山寺⇒第19番立江寺⇒鮒の里
鱗楼
今日も朝からご飯がうまい
おひつのお米も完食
昨日のヘロヘロ感がリセットされる
第17番井戸寺
井戸寺まではすぐだ
もう少し頑張れば、きのう参拝できない距離ではなかった
宿は7日前に予約することに決めていた
鱗楼を予約したのは自宅からだ
心配したのが焼山寺の遍路ころがし
無事歩き通せるか自信がなかった
だから、無理のない余裕をもったスケジュールにした
結果的にはゆったりとした行程が、身体にとって有益だった
第18番恩山寺
都市部はへんろシールがなかなか見つからない
地図を見ながら歩くしかない
だから迷いに迷う
最後はグーグルマップのお世話になる
ところが、グーグルマップの使い方にまだ慣れていない
焦りと、歩く距離だけが増える
へんろシールのありがたさが身にしみた
なんとか徳島駅の近くまで戻ってきた
なんかすごく懐かしい気がした
ほう、徳島駅はこんなところにあったのか
毎日、お寺と宿の場所をへんろシールや地図で確認して歩くだけだ
いったい自分がいま、四国のどの位置にいるのか全然わかっていなかった
国道を延々と歩く
どうもアスファルトの道は苦手だ
山道の方がファイトが湧く
恩山寺の境内で有志のひとがお接待を配っていた
かっぱえびせんを1袋をいただく
ベンチに座って味わった
お寺の境内でお接待をいただくのは初めてだ
ベンチから眺めていると遠慮しているのだろうか
受け取らない遍路もいた
お接待は基本的に断らないのがいいと聞いているのだが
第19番立江寺
ここは立江餅が有名らしい
門前の老舗で買い求める
5個入り500円
全部食べ切る自信がない
特別にバラ売りにしてもらった
1個100円
立江餅の正体は大福もちだった
想像していた餅ではなかった
でも美味しい
もう1個頼んでもよかった
普段はそんなに甘党ではないし、呑兵衛でもない
ところが遍路に出たとたん、甘いものが食べたくなる
ビールも欲しくなる
鮒の里
ここは評判の遍路宿である
今日も満室
大勢が食卓を囲み、にぎやがな夕食だった
気さくなご主人の遍路情報もうれしかった
外国籍の女性がひとり、遅れて到着するという
ベジタリアンと聞いたけど、朝食をどうしょう
女将さんはメニューに悩んでいた
宿の情報は
四国歩き遍路 6日目 遍路は自由だ
更新2020年8月20日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
6日目の行程
神山温泉ホテル四季の里⇒別格第2番童学寺⇒第13番大日寺⇒第14番常楽寺⇒第15番国分寺⇒第16番観音寺⇒鱗楼
神山温泉ホテル四季の里
朝5時に目覚めた
身体のストレッチを行う
こまめなケアが身体を守る
今日は3月3日のひな祭り、ホテルには段飾りがあった
別格第2番童学寺
車道を歩く
おっ、初めてのトンネルだ
トンネルに悩まされる遍路は多いらしい
歩道には白線が引いてあるだけだ
それなのに車は猛スピードで走り抜ける
轟音もすごい、という
養瀬トンネルは全然違った
車が通らないと、怖さがわからない
鮎喰川に沿って歩く
水の色がキレイだ
道行くお姉さんから梅干しのお接待
お姉さんは建治寺の素晴らしさを語ってくれる
このまま行くことを勧められた
残念だが、今回は遠慮することにする
行者橋を渡ると童学寺は近い
別格20寺の詳しい情報は
第13番大日寺
4日目に回避した潜水橋があった
こちらは梁田橋という
大日寺は道路沿いに建っているため、写真が撮りにくい
第14番常楽寺
この辺から遍路をちらほら見かけるようになった
遍路姿の外国人女性がいつも少し先を歩いている
慣れているのか、スイスイ歩く
こちらは迷ってばかりだ
第15番国分寺
遍路は自由だ
どの寺から歩いてもいいし、一度で歩き通さなくてもいい
乗り物に乗ってもいいし、宗派も問わない
この寺は曹洞宗だ
持っていった数珠は仏壇のチェーン店で買ったものだ
価格と数珠の色目で決めた
時宗の数珠らしい
調べてみると、真言宗の数珠にこだわる必要はないとされている
数珠がもうひとつ増えなくてよかった
そもそも、お寺にはあまり興味がない
ご利益のある石だとか、井戸とか見てみたいとも思わない
だが、お寺の門をくぐったら、参拝だけはおろそかにしないと決めた
それが礼儀というものだ
第16番観音寺
遍路ころがしのダメージが尾を引いているのか
身体がだるくてしかたがない
宿はもうすぐ
また一番乗りだろうか
鱗楼(うろころう)
宿に着いて1番風呂に入る
風呂が早いと、洗濯などの順番を待たずに済む
夕食まで、部屋でゆっくり出来た
同宿はバイク遍路の3人組だけだった
バイクだけど若者ではない
ここは料理旅館だそうだ
その名のとおり、品数が多く、美味だった
写真を撮り終えたころ、ロールケーキまででてきた
残念ながら写真はない
アルコールのせいで油断した
宿の情報は
四国歩き遍路 5日目 焼山寺の遍路ころがし
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
5日目の行程
ビジネスホテル鴨島⇒第11番藤井寺⇒第12番焼山寺⇒神山温泉ホテル四季の里
ビジネスホテル鴨島
7時からの朝食サービス
ゆっくりと美味しくいただく
体調は万全
遍路ころがしドント来いだ
第11番藤井寺
ホテルから藤井寺まで歩いて来て、いいウォーミングアップになった
境内には予想したとおり、誰もいない
8時半を過ぎてここに居るのは、朝寝坊の遍路かマイペースな遍路のどちらかだ
きのう下見しているので、登山口はすぐわかる
第12番焼山寺
前に誰もいないので、快調に飛ばす
長い道のりだ、あまり急ぐと途中バテる
そうわかっていてもアドレナリンが止まらない
遍路のうしろ姿が見えてきた
ペースは落とさず登る
ごぼう抜きだ
ただし、札所巡りは競争ではない
早いことに何の意味もない
それはわかっている
しかし、歩きにも登りにも自分のペースがある
リズムを壊すと、逆に疲れる
それが嫌なだけだ
山登りが趣味のkさんに一本杉の手前で追いついた
お互いに記念撮影
ここで休憩する遍路は大勢いた
kさんもここで休むと言う
この場所は標高が高いので、気温が低い
汗冷えで寒くなってきた
じっとしていると冷たさで、震えてくる
もう行くしかない
kさんと別れ、休憩なしで歩く
歩くと発熱して、寒さを感じない
もともと休憩しないのが、自分のスタイルだ
ここでは汗冷え予防で、歩くペースも落とさない
下りになると足元を気にしながら、ドンドン降りた
気が付くと焼山寺の参道だった
焼山寺の遍路ころがしは
寒さを忘れるため集中して歩いていたら、いつの間にか終わった
焼山寺の食堂でお接待のお茶をいただく
熱いお茶がなによりうれしい
座っていると、また寒くなってきた
ゆっくりする間もなく、焼山寺をあとにした
「鍋岩」地区まで下った時、親切なひとが声をかけてくれた
そんなんで、よう歩けるな
そのひとは、リュックやさんや袋の正しい掛け方を教えてくれた
おかげさまで、肩凝りから解放された
詳しくは
神山温泉ホテル四季の里
車道を延々と歩く
単調すぎて、遍路ころがしよりしんどい
歩くのが嫌になった頃
やっとホテルが見えてきた
何より風呂に入りたかった
ところが、早く着きすぎた
チェックインの15時まで、まだかなり時間がある
もうヘトヘトだ
フロントで恐る恐る聞いてみると
「ずいぶんとお早いご到着で、でもお風呂はご用意できます」
よかった!
誰もいない大浴場でゆっくりと疲れをいやした
宿の情報は
四国歩き遍路 4日目 強風に負けず?
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
4日目の行程
安楽寺宿坊⇒第7番十楽寺⇒第8番熊谷寺⇒第9番法輪寺⇒第10番切幡寺⇒第11番藤井寺⇒ビジネスホテルアクセス鴨島
安楽寺宿坊
深夜の事件?のおかげで、朝食はパンだけのはずが
おにぎり、みそ汁、コーヒーのお接待に恵まれた
事件?についてはこちら
第7番十楽寺
第8番熊谷寺
第9番法輪寺
第10番切幡寺
ここまで安楽寺宿坊で同宿となり、同じ事件の被害者?であるkさんと歩いた
ふたりでしゃべりながら歩いていると、話に夢中になってその間の記憶が飛んでしまった・・・
トホホ
ここから潜水橋で有名な川島橋を渡るつもりだった
kさんは行くと言う
ところがこの日、春一番らしき強風が吹き荒れていた
風にあおられ、吉野川にポッチャンとなると笑えない
川島橋は道幅が狭いらしい
欄干はなし
車も通る
幸いなことに、これまでは順調に歩けている
宿につくまでの時間は十分ある
遠回りだが、歩道もある安全な阿波中央橋を渡ることにする
橋の上では風の影響で身体がフラフラと揺れまくった
それほど猛烈な風だった
阿波中央橋がまた長い長い
なかなか対岸にたどり着けない
さすが、吉野川
四国三郎だけのことはある
第11番藤井寺
やっとホテルの前まで到着
チェックインまで、まだ時間があったので藤井寺へ行くことにする
藤井寺は閑散としていた
参拝後、焼山寺への登り口を確認する
そこで偶然kさんと再会
川島橋は難なく渡れたらしい
なに~!
こっちは大変だったんだけど
第1感に確信が持てず、迷って別の答えを書いたら、バツだったテストと同じだ
何事も初志貫徹が大事か
また、よい修行をさせてもらった
ビジネスホテルアクセス鴨島
明日はいよいよ焼山寺の遍路ころがし
武者震いがする
遍路はおおかた藤井寺付近の宿に泊まる
kさんもそうだ
こっちは鴨島に宿をとった
同じ時間に出発しても宿が離れている分、登るのはだいぶ遅くなる
いつも朝はゆっくりだ
明日は早出をするか
いや、やっぱり自分のスタイルで行くことにする
初志貫徹
昼食を食べない、ほとんど休憩しないのもいつものスタイルだ
そのうち追いつくかもしれない
宿の情報は
四国歩き遍路 3日目 宿坊に初めて宿泊
更新2020年8月25日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
3日目の行程
旅の宿道しるべ⇒愛染院⇒第4番大日寺⇒第5番地蔵寺⇒別格1番大山寺⇒第6番安楽寺⇒安楽寺宿坊
旅の宿道しるべ
四国へ来る前、基本ルールを決めていた
朝食はとにかく食べる、というのが基本ルールその2だ
その1は、ひとより先に挨拶すること
希望者には宿のご主人が金泉寺まで送迎してくれるという
それは助かる、昨日は道に迷って大変だった
ところが、である
基本ルールは3まで決めていた
ルールその3、四国遍路を歩き通すこと
宿のご主人に詳しい道順を教えてもらい、ひとり、歩く
宿の詳細は
愛染院
刷毛書きの御朱印をいただきたくて、寄り道して参拝
ご住職は法要のため不在だった
愛染院の記事は
第4番大日寺
第5番地蔵寺
別格第1番大山寺
まず、地蔵寺から安楽寺まで行き、安楽寺の宿坊に荷物を預けて大山寺に向かった
地図は簡単1本道、実は複雑迷い道
なかなか、たどり着かない
迷いに迷った
大山寺に売店があり、別格用の納経帳(小)を買う
別格用は別格寺でないと、あまり置いているところがない
別格20寺の詳しい情報は
帰りは雲行きが怪しくなる
雨具は安楽寺宿坊に置いてきた
またまた迷って、グーグルマップに助けられる
バッテリーの残量、ほぼなし
バカバカ、予備のバッテリーも宿坊だ
節約のため、自分の勘を信じることにする
うん、大丈夫だ
第6番安楽寺
さんざん遠回りして、やっとお寺が見えた
もうクタクタだ
自分の勘を信じてはならない
その言葉を身をもって知る
安楽寺宿坊
宿の情報は
本日の宿泊者は2名
部屋はビジネスホテル風個室で、バス、トイレ付
朝食はパンのみのため、7,200円の宿泊料から500円引き
宿泊者が少ないため、温泉の大浴場は使用できず
お勤めもなし
お勤めの代わりに、17時30分からお坊さんの案内で、本堂巡りがあった
これでよかった気がする
今日も疲れた
幸い団体さんがいないので、騒がしくない
ゆっくり眠れるはずだったのだが・・・
この日のトラブルについては
四国歩き遍路 2日目 徳島上陸
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
2日目の行程
ワカヤマ第二富士ホテル⇒和歌山市駅⇒和歌山港⇒徳島港⇒徳島駅⇒板東駅⇒大麻比古神社⇒第1番霊山寺⇒第2番極楽寺⇒第3番金泉寺⇒旅人の宿道しるべ
ワカヤマ第二富士ホテル
6時30分から朝食
今日も朝から気合が入る
昨日は仕方なく遍路姿でチェックインした
が、ここは和歌山、四国ではない
朝の通勤通学ラッシュに、遍路姿ではまずいだろう
普段着で行くことにした
和歌山市駅
なかなかの混雑
普通の服にしてよかった
金剛杖の入った杖袋と菅笠を持っているし、さんや袋を首からぶら下げているのでどうみてもお遍路さんだけど
和歌山港
終点の港まで行くひとは少ない
遍路らしき人間は、誰もいない
フェリーの内部は結構広く、揺れもなく、天気も申し分ない
和歌山市を後にする
徳島市が見えてきた
徳島駅
駅までは市営バスに乗る
全員ではないにしろ
広い船内にいた乗船客が、バス1台分の乗客になる
ほぼ満席状態
パンパンになったリュックを背負い、腰にはウエストポーチ、首からさんや袋を下げ、右手に金剛杖の入った杖袋、左手に菅笠を持っている
窮屈でしかたがない
20分ほどでやっと徳島駅に到着
バスに乗っただけでこんなに疲れるものなのか
ただ、座っていただけなのに
バスが定刻どおりならば、板東駅行きに間に合うはずだった
残念!
次は12時16分発
1時間以上もある
せっかくなので、駅ビルで徳島ラーメンをいただく
味は?
今後のことがいろいろ気になって、味わうどころではなかった
車内は高校性が多かった
板東駅
結局、板東駅で降りた遍路は皆無だった
もっと大勢いると思っていた
13時前だから遍路が誰もいないのだろうか
想像していた状況と違い、少しひるむ
とりあえず、駅の待合所で遍路姿に変身
第1番霊山寺までは道路に線が引いてあり、迷うことなく歩ける
大麻比古神社
家田荘子の著書にここにお詣りして、四国遍路を始めたと書いてあった
だから、それに従うことにする
阿波の圀一宮である
今まで、伊予の圀一宮と讃岐の圀一宮にはお詣りしたことがある
四国一宮の制覇も近い
第1番霊山寺
境内にはひともまばら
なのに緊張はマックスになってきた
本堂と大師堂の区別がつかない
アワテテ、先に大師堂を参拝してしまう
納札、さい銭、どっちが先だったか
クソッ、思い出せない
経本を手に、声が震える
般若心経が、すらすら読めない
汗が流れる
手ぬぐいはもうグチョグチョだ
お参りの予行演習などしていない
本や雑誌で確認しただけだ
にしても、本番初日からこんな無惨な結果になるとは思わなかった
ガクッ
こんなにダメな奴だったのか
自分に自信がなくなった
うつむきながら、第2番極楽寺へ
第2番極楽寺
精神的ダメージにより
ここら辺の記憶がない
納経所の女性が親切だった印象だけが残っている
第3番金泉寺
挨拶は相手より先にしよう
遍路に出る前、そう決めていた
小学生の下校時間なのか、生徒の集団とよくすれ違う
相手はベテランだ
遍路を見かけると、即、挨拶の声があちこちから飛んでくる
初心者遍路は遅れて挨拶するしかない
しかも小声で
決心はどこへ行った
お寺の作法も慣れなら、挨拶も慣れだ
何度か繰り返すと、だんだん慣れてくる
途中、宿までの道に迷ってしまった
近いはずだが、全然着かない
えー、うそっー!
「四国遍路ひとり歩き同行二人ー地図編」の見方はすでに完璧、
なわけがない
地図編を見ながら、必死で宿を探す
集中しすぎて、何人かの小学生が挨拶したのに、気づかなかった
あれ、挨拶してくれん
そう聞こえた気がして、振り返った
小学生たちは角をまがったのか、消えていた
激しい後悔に襲われた
たかが挨拶、されど挨拶だ
小学生に劣る自分を恥じた
それから四国を去るまで、挨拶のことで自分を恥じたことは、
一度もない
旅人の宿道しるべ
結局、地図にはない道なき道を通り、ひとの家の庭先を無断で横断しながら、やっと宿に到着した
宿の情報は
四国歩き遍路 1日目 高野山にお参りする
更新2020年9月29日
| 2日目
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
2018年2月26日四国遍路に出発しました。
まずは、高野山へ
高野山までの道のり
高速バス⇒なんば高速バスターミナル⇒南海電鉄⇒橋本駅⇒代行バス⇒大門南P⇒山内代行バス⇒金剛峯寺前
菅笠と納経帳以外は準備していた
金剛杖は杖フィットと杖袋を合わせて、(株)いっぽ一歩堂 で購入済み
- 金剛杖と杖フィット(紺)のセット 1,600円(税込み)
- 杖袋(長寸) 紺色 1,680円(〃)
杖袋は金剛杖を持ち歩くのに、とても便利でおしゃれだ
家田荘子さんの著書で知った
今も金剛杖は杖袋に入れて、自宅にある
なんば高速バスターミナル
「事前に調べてきたのに、来てみると、ビルの中はごちゃごちゃして、複雑すぎる」
田舎もんのおじいはそう感じた
たまたま見つけたエレベータに乗ったおかげで、どうにか駅にはたどり着いた
あのエレベーターに乗らなければ、迷子になっていただろう
電車にも何とか間に合った
ヤレヤレ危なかった
最初からスリリングすぎるわ
南海電車
以前通過した台風の影響で橋本駅以降の電車とケーブルカーはいまだ不通
面倒だし、時間がかかるが、しかたがない
初心者らしき遍路もいた
同じ初心者を見つけて心強く感じた
マナー違反と知りつつ、隣の座席に重たいリュックを置く
小心者の悲しさ、バスが発車するまで、ドキドキしていた
幸いなことに、乗客はそれほど増えず、罪悪感は消えた
代行バス
帰りのバスに乗車するまでのタイムリミットは2時間
山内バスは思いのほか便がない
奥の院とこのバス亭を往復歩くことにする
本番前の準備と考えれば、そう、たいした歩きではない
ちょうどこのバス停は金剛峯寺の真ん前にあった
ここで時間調節をすることにしょう
とにかく先に、奥の院を目指した
奥の院
数珠屋四郎兵衛
途中見つけた店で、菅笠と納経帳(小)を購入
持参していた「かんたん取付 さわやか笠フィト」*1を菅笠に装着
リュックを置かせてもらい、身軽になって奥の院へ急ぐ
なにせ、どれくらい時間がかかるかわからないのだ
奥の院
参道を通って奥の院まで約2km
往復4kmは思ったより遠かった
しかも、雪
金剛峯寺
奥の院から、荷物を預けた店に寄り、お礼を言って金剛峯寺バス停までまた歩く
気が焦るので、自然に早歩きになる
金剛峯寺前バス亭到着
ふうっ
時計ばかり見ながら歩いた甲斐があった
まだ時間の余裕がある
あわてながらも、金剛峯寺にお参りして、納経する
橋本駅
逆コースをたどり、橋本駅に向かう
行きにはちらほらいた遍路が誰も乗っていない
高野山泊まりなのか
少し心配になる
いったい和歌山市内のホテルに着くまで何時間かかるかわからないのだ
夕食が食べられない、なんてことになると一大事
知らない土地で夜中に食べ物を求めて歩き回りたくはない
大丈夫だろうか
ワカヤマ第二富士ホテル
橋本駅からは和歌山方面へ向かう
ここからは、JRのほうが乗り換えがいいらしい
駅員さんに言われたとおり、JRに乗り換え、和歌山市駅には20時ごろ無事到着した
南海電車を利用すると、まだ相当時間がかかっていただろう
JRの乗り換えを勧めてくれた、南海電鉄の駅員さん、ありがとう
駅から歩いて、今日の宿、ワカヤマ第二富士ホテルに向かう
あたりは真っ暗
おっ、ホテル近くの居酒屋が開いている
閉店ギリギリだった
これでやっと夕食にありつける
貝類のバター焼き、手作りオムレツ、焼おにぎり3個、生ビール2杯を注文
いやはや、初日からどっと疲れた
しっかり食べて、明日に備えることにしょう
| 2日目
*1:いっぽ一歩堂 980円
四国歩き遍路 歩く距離、スピード、わたしのスタイル
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
四国遍路を歩き始めて、3~4日過ぎるとだんだん慣れてきます。
その頃に自分のスタイルを決めておくと、その後無理なく歩けます。
例えば、何時に出発するとか、休憩をどうするとか。
もちろん、行き当たりばったりの旅でも、修行と考えれば悪くはないと思います。
今回はわたしのスタイルを紹介します。
宿の確保
これを一番優先しました
野宿する、あるいは善根宿*1に泊まるのも面白いとは思います
しかし、中年以上はゆっくり休んで疲れをとることが大切
まだ若いと錯覚してはなりません
だから、遍路宿、宿坊、ビジネスホテルを中心に宿泊場所の候補を決めました
自分が歩ける距離
平均すると1日40km歩く遍路もいます
わたしにはとてもマネできません
最長30kmくらいにして、スケジュールを立てました
自分が何キロ歩けるのか、把握しましょう
歩くスピード
山道と平坦な道、雨の時と晴天の時では当然スピードが違います
平坦な道ならば、午前中は1時間に5km、疲れた午後には1時間4kmのペースを目標にしていました
ただ、遍路は競争とは違います
早くまわることに、何の意味もありません
遅くても早くても、自分のペースが一番大事です
国道では1kmごとに表示が出ます
これを利用して時間を計ると、ペースが簡単にわかります
宿の到着時間
ゆったりとしたスケジュールだったので、だいたい3時前には到着
遅くても、5時ごろ(例外が1度だけあります)
早く着いたほうが、風呂や洗濯の段取りがいいです
宿の出発時間
朝食なしで暗いうちに出発する遍路もたくさんいたようです
早朝は涼しい、国道など道路の交通量が少ない、長時間歩ける、のがその理由です
こちらは朝はゆっくりと食べ、支度を整えて、たいてい1番最後に出発していました
だから休養も十分
体調を考えて、判断しましょう
休憩
脚がよほど疲れた以外、ほとんど休憩せずに歩きました
休憩の目的は主にマメ予防、足を乾燥させるためです
地元で歩きのトレーニングをしていた時は、約5kmごとに休憩をして、足を乾かしていました
でも、わたしには別のマメ対策のほうが有効でした
それと、休憩すると歩き始めに足の痛みがあり、休む前のスピードに戻るまでに時間がかかりました
休むよりそのまま歩き続けるほうが、テンポよく歩けたのです
これこそ、自分のスタイルで決めてください
昼食
昼食は食べません
昼食のため休むと逆に足の裏が痛くなったからです
また、まとまったものを食べると、完全に歩くスピードが落ちました
そもそも、日常でも昼食は取らないことが多く、たいして気になりません
ただ、水分補給と飴などの糖分摂取はこまめに行いました
昼食を簡単に済ます遍路は多かったと思います
以上です。
それでは、また。
*1:無料で宿泊させてくれる施設
四国歩き遍路 歩き対策で事前に行ったこと(脚の痛み予防編)
更新2020年8月18日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
歩き遍路は脚が勝負を決めます。
リタイアするのは脚のトラブルが主な原因です。
ここで質問。
今まで30km以上歩いたことがありますか?
階段を息切れなく上れますか?
続けている運動がありますか?
筋肉質ですか?
脚力に自信がありますか?
わたしの答えは、すべて「いいえ」でした。
だから、四国遍路を歩く前にしっかりと準備をする必要がありました
その結果、マメをひとつも作ることなく、脚の故障もなく、四国遍路を歩き抜くことができたのです
今回はどんな脚の痛み対策をしたのかを紹介します
なお、マメ予防についてはこちらをクリック
はじめに*1
当時わたしの年齢は、59歳
身長168cm、体重75kg
メタボでした
中学時代に庭球をした以外、特に運動らしい運動を経験したことがありません
普段の生活で、1km以上歩くことはほとんどなく
階段を上ると息切れがします
そんなわたしが四国遍路を歩き通すなんて
無謀な挑戦としかいえません
まず行ったこと
試しに20kmほど歩いてみる
靴:普段履いている、靴の量販店で買ったウォーキングシューズ
靴下:日常、使用しているもの
中敷き:なし
休日に朝9時から歩き始め、自宅に到着したのは3時過ぎでした
途中、何度も休憩しました
一番大変だったのが、最後の1~2km
脚はパンパン
足の裏はジンジン
両足にはマメがいっぱい
翌日はマメの痛みと筋肉痛で脚を引きづりながら出勤しました
このままではお遍路どころか、満足に歩くこともできません
本やインターネットで調べると
子供から高齢者まで、年齢や性別を問わず
四国遍路を歩き抜くひとはたくさんいます
秘訣は靴と中敷きのようです
もちろん、中年以上は長時間歩くトレーニングが必要でしょう
歩きのトレーニング
脚の筋肉痛は歩いて慣らすしかありません
土、日、祝を利用して約20km歩くことにしました
最初のころは1日歩くと、マメの痛みと足の裏の痛みに加え、脚の筋肉痛もひどく、とても次の日歩けません
1ヶ月に1日だけ歩く期間が半年ほど続き
徐々に慣れて、最終的には毎週1~2日歩けるようになりました
足の痛みの対策
まず中敷きから
靴は中敷きを入れてた上で履かないと、幅やサイズが選べません
だから、まず中敷きを決めました
参考にしたのはインターネットのレビューで高評価のもの
最初に買ったのが、インプラス社の「ソフソールインソール エアーセレクト」です
これを入れて歩くと同じ靴でも足の痛みが全然違います
何度も使うと表面がこすれて、耐久性が心配になりました
同じものを買うことも考えましたが、レビュー評価の高い別の中敷きを選ぶことにしました
ソルボ社「DSISウォーキングエア」
ソフソールより手ごろな価格です
かかとの痛みに効果的でした
トレーニングで使用した結果、甲乙 つけがたかったので
結局、メインはソフソール、ソルボはサブとして四国遍路に持っていきました
靴選び
- ウォーキングシューズか、登山靴か、トレッキングシューズかの選択
- 防水用かそうでないか
- 実際に中敷きを入れて履いてみる
- 少し大きめのサイズを選ぶ
- 軽量がよい
ウォーキングシューズ
ウォーキングシューズは軽量なのが利点
アスファルトの平坦な道を歩くのには適しています
しかし、残り2割の山道が問題です
四国遍路の山道は難所ばかり、ウォーキングシューズでは心配です
登山靴
山道では安心ですが、アスファルトを長時間歩くのに重い登山靴は不適です
トレッキングシューズ
決めたのはトレッキングシューズ
山道にも強く、登山靴より軽量なので、歩きやすいです
坂道での怪我予防のため、ミッドカットにするかハイカットにするかが悩みどころ
防水性
靴に水が入ると、蒸れてマメができやすいと聞きました
足マメ予防のため、防水の靴がよさそうです
防水の靴は雨水が侵入すると、乾きにくいのが弱点です
ただ、雨に濡れても、新聞紙を入れて、3回ほど取り換えれば、翌日には問題なく歩けます
実際に試し履きすること
レビューで高評価のトレッキングシューズを数品選びました
ところが、地元の靴屋、スポーツ店、登山用品店、いろいろ探しても選んだ靴がなかなか見つかりません
あってもサイズがなかったり、色が一色しかなかったり
実際に試し履きしないと、中敷きがキチンと入るのか、中敷きを入れた状態で足が入りやすいのか、どの程度大きめのサイズにするか、わからないことばかりです
なので、選んだ靴はあきらめました
もう一度、インターネットで高評価のレビューを検索
すると、コロンビア社のトレッキングシューズがヒットしました
コロンビアの専門店なら、地元にもあります
店員さんのアドバイスも期待できそうです
さっそく、中敷き(ソフィソール)を手に訪問
中敷きは靴に問題なく入ります
中敷きを入れた状態で、靴もすっと履けます
ちなみにこの時、四国遍路を歩くのと同じ条件にするため、足には5本指靴下と2重履き用靴下を履いていました
通常なら靴のサイズは24.5~25.0
遍路で履くので、少し大きめの26.0にしました
水濡れによるマメを防止するため
やはり、靴は防水にしました
カットの種類も、ローカット、ミッドカット、ハイカットとすべて揃っていました
3種類を試した上で、ミッドカットに
軽さと安全性のバランスを考慮した結果です
色も全種類あり、実物の色を見て選べました
購入したのは
コロンビア社「セイバー3ミッドオムニテック253」です
靴選びは慎重にしてください
四国では、山道で脚を痛めてリタイアした遍路に何人も出会いました
山道のトレーニング
靴が決まれば、山道でも安心です
近くにある標高270m程度の登山にチャレンジすることに
ファミリー向けの山で、登山道が複数あります
最初は休み休みでなければ登れません
それでも頂上まで行くのは大変です
1往復しただけで、その日はリタイア
土、日、祝を利用して
何日かチャレンジを続けていると、休憩なしで一気に山頂まで行けるようになりました
最終的には複数の登山道を一日3往復以上しても平気でした
焼山寺の遍路ころがし、遍路が最初に出会う難所です
寺まで、健脚5時間、平均6時間、弱足8時間といわれています
トレーニングの甲斐あって4時間ほどで、クリアできました
*1:マメ予防編にも書きました
四国歩き遍路 歩き対策で事前に行ったこと(マメ予防編)
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
歩き遍路は脚が勝負を決めます。
リタイアするのは脚のトラブルが主な原因です。
ここで質問。
今まで30km以上歩いたことがありますか?
階段を息切れせずに上れますか?
続けている運動がありますか?
筋肉質ですか?
脚力に自信がありますか?
わたしの答えは、すべて「いいえ」でした。
だから、四国遍路を歩く前にしっかりと準備をすることにしました。
その結果、マメをひとつも作らず、脚の故障もなく、四国遍路を歩き通すことができたのです
今回はどんなマメ予防をしたのかを紹介します。
はじめに
当時わたしの年齢は、59歳
身長168cm、体重75kg
メタボでした
中学時代に庭球をした以外、特に運動らしい運動をしたことがありません
普段の生活で、2kmも歩くことはありません
階段を上がると息切れがします
そんなわたしが四国遍路を歩きつづけるなんて
無謀な挑戦でしかありません
まず行ったこと
試しに20kmほど歩いてみる
靴:普段履いている、靴の量販店で買ったウォーキングシューズ
靴下:日常、使用しているもの
中敷き:なし
休日に朝9時から歩き始め、自宅に到着したのは3時過ぎでした
途中、何度も休憩しました
一番大変だったのが、最後の1~2kmから
脚はパンパン
足の裏はジンジン
気がつくと、両足にはマメがいっぱいできていました
マメの治療法とは
- 太目の針でマメに2つ穴をあける
- 水分をしぼりだす
- あけた穴を消毒する
- 傷用テープを貼る
- 皮は絶対にむかない
自宅でマメを治療しました
やり方が悪いのか、痛くて立って歩けません
翌日はマメの痛みと筋肉痛で脚を引きずりながらの出勤でした
マメの原因
遍路ならマメができても、翌日からまた長距離を歩かなければなりません
マメの痛さを経験して、わたしには無理だと感じました
そうなると、マメの治療より予防が大切です
まずは、マメが出来る原因を知り、その対策を考えることにしました
マメの主な原因
- 足が蒸れること(湿気)
- 足と靴がこすれること(摩擦)
- 指の側部にできるのは靴の幅が狭いこと(靴)
が主な原因のようです
そこで、
①30分ごとに休憩をとり、その都度靴下を脱いで10分間は足を乾燥させる(湿気対策)
②少し大きめサイズの靴で歩く(摩擦対策)
ことにしました
試行錯誤
マメの痛みが治まった頃、再度20km歩いてみました
①足を乾かしても、②靴の大きさを変えても、さほど効果がありません
マメの数が少なくなった代わりに、マメは大きくなりました
大きなマメは痛みが強く、なかなか治りません
マメの予防対策
インターネット情報でわかったこと
- 5本指の靴下にすると、指どうしの摩擦が少ない
- 靴下を2枚履くと靴と足の摩擦が少ない
- 靴に水が入ると蒸れて、マメができやすい
- 靴下は乾きやすいものを使用する
- マメの出来そうな場所にテーピングをする
- ワセリンを足に塗ると摩擦を抑える
実際に試してみた
休日にはトレーニングを兼ねて、試行錯誤を続けました
距離は毎回20km以上です
その結果がこれ
- 5本指の靴下は各種あるが、蒸れにくく丈夫な靴下のほうが有効
- まず、5本指の靴下を履き、その上からもう1枚履く、この靴下は靴との摩擦が生じるため丈夫なものが必要
- 水濡れ防止には防水性の靴を検討すべき
- テーピングテープを足の裏と指に貼る、足の裏は太いテープ、足の指には細いテープを使うと便利
- ワセリンは保湿力があるがべたつくので、使用感が悪い、価格は高いが専用クリームを購入
四国歩き遍路で実際に使用したもの
5本指靴下
インジンジ製ライナークルー靴下
標準価格1,188円(税込み)
二重履き用のインナーソックスです
レビューの評価が高く、実際に使うと確かに蒸れが抑えられます
他の靴下も試しましたが、蒸れの抑制と耐久性の点で、こちらに決めました
四国遍路には2足持参
靴下
ダーンタフ製マイクロクルークッション
標準価格2,464円~3,750円(税込み)
色により価格が異なります
蒸れ難く、防臭抗菌効果や体温調節機能に優れていると、レビューの評価は高いです
実際使って見ると、他の靴下より、しっくりきます
なにより、生涯保証というだけあって丈夫な作りが気に入りました
歩いている期間中、穴が開くと困るので
四国遍路へは色違いを3足持参しました
今でも重宝してます
テーピングテープ
ニチバン製テーピングテープ
12mm 標準価格374円(税込み)
50mm 標準価格704円( 〃 )
指用には12mm幅、足用には50mm幅を使用しました
宿に入るとはがし、翌朝、貼り直していました
どちらも12m巻き(12mmは2巻入り)ですが、毎日使うので、遍路の途中で補充しましょう
ドラッグストアーなどに置いています
メーカーを気にする必要はありません
専用クリーム
Protect j1 長時間持続型保護クリーム80ml
標準価格1,980円(税込み)
高評価のレビューが多いです
ニオイも、べたつきもなく、よく伸びます
テーピングと自分の選んだ靴下の二重履きでマメの予防は問題ないと思いました
それでも、本番は何が起こるかわかりません
四国遍路には念のため、1本持っていきました
しかし、マメが出来る前兆が全然なかったので、一度も使っていません
結論
遍路中は、ほとんど休憩をとりませんでした
だから、靴下を脱いで足を乾かしたことがありません
わたしの足にマメが出来なかったのは、
5本指の靴下と重ね履き靴下の選択がよかったことと
テーピングのおかげです
もちろん、靴の影響も無視できません
靴については、 次回、足の痛み予防編の中で紹介します
お楽しみに
四国歩き遍路 印象に残るお接待所
更新2020年8月10日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
今回は個人的に印象に残ったお接待所を紹介します
- おやすみなし亭
- 露ヶ本遍路休憩所
- 遍路接待所(赤野)
- へんろ小屋(通称 金平さんのへんろ小屋)
- 松山市和気公民館
- 檀ノ浦案内所
- お遍路休憩所 仁庵
- 前山おへんろ交流サロン(前山地区活性化センター内)
- ご注意
おやすみなし亭
第13番大日寺に向かうへんろ道沿い、入田春日橋を過ぎた、右手にあります
無人の接待所ですが、冷蔵庫に冷えたジュース、冷たい水、飴やポケットティシュなども置かれていました
もちろん、休憩も出来ます
前日、焼山寺への遍路ころがしを経験したばかり
ダメージを受けた身体には大変ありがたいお接待所でした
露ヶ本遍路休憩所
都市部では道に迷いながら、あちこち歩きました、精神的に疲れます
国道は直進するだけですが、アスファルトの道を歩き続けると、足の疲労がキツイです
そんな時、りっぱな休憩所を見つけて、ホッとしました
ここには小さな巾着袋が置いてありました
気に入った生地の巾着袋をひとつ、小銭入れ用にいただきます
この巾着袋は重宝しました
今でも使っています
遍路接待所(赤野)
高知県安芸市、へんろ道沿い、安芸赤野郵便局をすぎると、右手にあります
「いらっしゃいませ」の看板を見て、中に入ります
カラフルな手作りの工作品が天井から垂れ下がり、等身大の手作り人形がイスに座って歓迎してくれます
お母さんから熱いコーヒーを頂きました
この区間はお寺がなく、ただ歩くだけなので、お母さんとの会話がはずみました
広い室内は、大工のお父さんが作ったそうです
へんろ小屋(通称 金平さんのへんろ小屋)
第38番金剛福寺に向かうへんろ道沿いの右手にあります
水道、トイレ、自販機、洗濯機も置いてあり、寝泊りもできそうです
金剛福寺打ち戻りの当日は、土佐のひとも経験したことがない低気圧に遭遇
前に進むだけで体力を使い、大雨でもノドがかわいて仕方がありません
行きも帰りも、トイレと水のお世話になりました
松山市和気公民館
第52番太山寺から第53番円明寺までのへんろ道沿いにあります
毎月、1日2日のみ、曜日に関係なく地域でお接待をしているとのこと
何人ものひとが遍路に声をかけていました
もう10年以上続けているそうです
甘酒やお菓子をいただきました
ポケットティッシュや飴の詰め合わせ、手作りの線香入れもどうぞと勧めてくれます
線香入れは最後まで重宝しました
檀ノ浦案内所
第84番屋島寺から第85番八栗寺までのへんろ道沿いにあったテントから声をかけてもらいました
シルバー人材センターが運営しているお接待所です
男女二名の方がお茶やお菓子を勧めてくれます
冷たいお茶と羊羹をいただきました
近くにある洲崎寺に、遍路の父と呼ばれる「真念さん」の墓があるというので、案内してもらいました
お遍路休憩所 仁庵
第85番八栗寺へ向かう参道の坂の途中にあります
お遍路さんどうぞと声をかけてもらいました
手作りのデザート、果物、お茶、お菓子など次々とお接待をいただきます
遍路が通るのが見えると、すぐに声をかけます
名刺を頂戴しました
お名前は榊原佳代子さん
どうしてここまで出来るのか、頭が下がります
前山おへんろ交流サロン(前山地区活性化センター内)
第88番大窪寺に向かうへんろ道沿いにあります
向かいは道の駅ながおです
休憩コーナー、へんろ展示室、四国八十八ヶ所のジオラマもあります
歩き遍路は「四国八十八ヶ所遍路大使」に任命され、任命書と同行二人バッチがいただけます
歩き通した記念になります
ぜひ立ち寄りましょう
入館無料
営業時間は8時から16時(入館は13時30分まで)
年末年始は休館になります
ご注意
お接待はサービスとは異なります
四国の人々が持つ、もてなしの心です
遍路はお大師様と同じ、と四国では考えられています
同行二人
遍路はいつもお大師様と共に歩いているのです
お接待はお大師様に対して行われるもの
だから、遍路は断ってはならないといわれます
遍路はただ感謝するだけ
感謝の印として納札を手渡す
それが作法です
お接待を受けたときには必ず、納札を手渡してください