四国歩き遍路 34日目 団体さんの行動を見れば、先達さんの力量がわかる
更新2020年9月10日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
34日目の行程
長珍屋⇒別格第9番文珠院⇒第48番西林寺⇒第49番浄土寺⇒第50番繁多寺⇒第51番石手寺⇒ネストホテル松山
長珍屋
今日は巡るお寺が多い
ただ、お寺とお寺の距離が近いのが救いだ
いつものようにゆっくりと出発する
靴を履いていると
若女将が乳酸菌飲料を持ってあわてて玄関へ来た
忘れていましたがコレをどうぞ
全員出発したと勘違いしたらしい
ありがたく、その場でいただく
一番早く来て、一番最後に宿を出た
変な遍路と思われたかも
別格第9番文珠院
落ち着いたお寺という印象
ここまでは順調に歩いてきた
この後は松山市内に入る
大都市は遍路案内が極端に少なくなる
また迷うだろうな
それが心配で気分が重たくなった
第48番西林寺
西林寺までは、今までにない遍路案内に従う
まあ、間違いはないだろう
これも似てるけど、ちょっと違うようだ
地元の人による案内版
お寺には団体さんを乗せたバスが次々に到着
遍路が少ないと思った瞬間、あっという間に団体遍路で境内がいっぱいになる
親笹と子笹が同時に生えるのは珍しいとのこと
境内に居た近所のひとが無理やり教えてくれた
第49番浄土寺
今日は団体さんに追いかけられている気がする
どの寺も着いたら、すぐに団体さんだらけになる
第50番繁多寺
風変わりな遍路案内が本当に多い
道順も持ってきた遍路地図とは少し違うような気がするが、案内に従う
ちゃんと繁多寺に到着
桜がまだキレイだった
朝から道に迷わないかと心配だった
ここまでは意外なほど、案内が充実していた
都市としては珍しく、無難にここまでたどり着いた
地域の皆様に感謝しなければならない
バスで移動する団体さんは、境内に長くはいない
時間をつぶせば、団体さんは去って行く
ちょうどいい、繁多寺の境内でまさかのお花見だ
長く休憩してもサクラは見飽きない
団体さんには先達さんが同行することが多い
先達さんはすぐにわかる
見かけが一般の遍路とは違っている
立派な杖と笠が先達さんを見分けるポイントだ
高知屋と三好旅館で先達の資格を持つ遍路と同宿だった
ご両人とも第6番安楽寺の推薦で先達に公認されたそうだ
団体の引率は経験がないらしい
個人的に頼まれると同行するという先達さんだった
さて、今日出会った先達さんたち
どう考えても同じ資格の持ち主とは思えなかった
それほど指導の質が違っていた
先達さんでない人を先達さんと勘違いしたわけではない
お寺は左通行が常識とされる
だから、引率している遍路にもそれを徹底し、階段の上り下りも二列縦隊
読経は他の遍路の邪魔にならない様、片隅に集合
そんなマナーの良い団体さんがいた
見ていて気持ちのいい団体さんは先達さんの指導が行き届いていた
普通、先達さんと言えばこうあるべきだろう
ところが別の団体さんは
横一列にならんで、境内を歩く
階段も同じ
だから上り下りで人とぶつかりそうになる
読経も目いっぱい広がって唱える
さい銭箱や納札箱の前まで陣取り、他の遍路の邪魔になろうとお構いなし
自ら先導する団体さんのマナー悪さに
先達さんはもちろん知らん顔、注意さえしない
団体遍路の無知を正すのが、先達さんの重要な勤めだと思うのだが
先達公認の条件になっていないのだろうか
こんな先達を公認してはならない
そう考えるのは私だけだろうか
第51番石手寺
他のお寺と明らかに雰囲気が違った
何かしら違和感があった
遍路も多いが観光客も多かった
それでそんな気がしたのかも知れない
ネストホテル松山
ホテルまではグーグルマップのお世話になる
来てみれば、わかりやすい道だった
ホテルに着いたのが午後1時前
さすがに部屋には入れてもらえない
ロビーで待つには時間がありすぎる
フロントで聞くと大街道という松山で一二を争う商店街が近くにあるらしい
実はここに来るまで、ずっとお好み焼きが気になっていた
道中、店を探しながら歩いた
そんな新説を発表したいくらい、お好み焼き店に出会わなかった
大街道は聞いたとおりの大きな商店街だ
絶対あるに違いない
そう確信していたが、大通りを往復しても見つけられない
裏通りに入ってウロウロしていたら、やっとあった
お好み焼きとは書いてないが、それらしい店
恐る恐る聞いてみた
お好み焼きできますか
はい!
よ~しっ
やっとお好み焼きが食べられる
大通りはひとがいっぱいいた
この店にはなぜかお客がひとりもいない
裏通りにしても変だ、少し心配になった
しかし、今までの人生でまずいお好み焼きに出会ったことがない
家で作っても、それなりに美味しいものが作れる
値段も高かったので、まだかまだかと期待は膨らんだ
一口食べて、思った
はたして、この料理は本当にお好み焼きだろうか
もしそうなら、確かに誰もお好み焼きを食べたいとは思わないだろう
道中、お好み焼き店に出会わなかったのも納得できる
ただ、伊予の食文化がお好み焼きをこんな味にした、とは考えたくはない
この店の味があまりにも独特すぎたと、思うことにした
大通りに戻って、「日切焼」という名の大判焼きを店頭でいただく
これでなんとか口直しができた
まだ時間は経っていないが、大通りを歩くのは遍路道より疲れる
ホテルのロビーでチェッインまでしばし休憩する
友人TはJRだから、駅からここまで来るにも時間がかかる
チェックインが済んだ後は部屋でのんびりする
しばらくして、Tが部屋を訪ねてきた
積もる話は後にして、ホテルを出た
Tは酒がいける口だ
呑兵衛は知らない土地でも居酒屋に関しては鼻が利く
大街道の裏通りでTが見つけた焼き鳥屋で乾杯
昼間のお好み焼きの印象を吹き飛ばすくらい、うまい焼き鳥だった
つくねは一度に頼める本数に制限があったので、何度も注文した
ふたりともガツガツ食べた
話しも弾み、こっちはそこそこアルコール
Tはいつものペースで飲んでいた
ホテルの帰り道、焼き鳥屋の看板がやけに目についた
松山は鳥が名物なんだろうか
うまい味を知ると、ひとは食べたくなる
ひとが食べたいとなると、自然に店も多くなる
こんな法則があるなら
宿の情報は
四国歩き遍路 33日目 松山の宿は予約が難しい
更新2020年9月9日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
33日目の行程
国民宿舎古岩屋荘
苦あれば楽あり
岩屋寺も済ませているので、今日は楽なペースで歩ける
夜はぐっすり眠れた
脚の痛みも回復
部屋から見える風景は古岩屋といい
国指定の名勝らしい
なかなかの景観
秋には紅葉が素晴らしいのだろう
昨日はもちろん写真を撮ってはいない
今日は余裕があるので何枚も写した
第46番浄瑠璃寺
久万高原の町まで戻り、松山方面へ
国道33号から外れて山道へ
三坂峠を目指す
歩きやすい山道だった
峠からの下り坂は長くて、急だ
思わず、スピードが出てしまう
が、下り坂こそ、ゆっくりと歩かなければならない
膝に体重がかかって痛めたり、足首をヒネル可能性も高い
まして転んだりすれば、大変だ
雨の日は滑りやすいし
ところどころ危険個所がある
なおさら、油断は禁物
途中のお接待所で、甘味の補給
ひとついただく
山道からコンクリートの道に変わる
コンクリート道のほうが急な下り
ジグザクに下る
長珍屋はすぐ前だった
時間が早いので、八坂寺へ行く
第47番八坂寺
お寺までの距離は短い
寺で少し休もうとした
しかし、この小さなお寺で休む場所を見つけられなかった
ここで何故か、高知屋で出会った女性遍路のことを思った
彼女はこの寺でどうやって一日中過ごすのだろう
まだ時間が有る、この先の別格9番文珠院まで歩こうかとも考えた
が、明日また松山市内に早く着いても困る
同じ道を戻ろう
少し早いが宿に入ることにした
長珍屋
宿には午後2時30分に着いた
まだ正面玄関は閉まっている
通用口から到着したことを伝える
すぐに入館できた
受付を済ませると
大風呂は4時からの利用になります、と言われる
ここは新館を予約していた
バス、トイレ付だ
大風呂の時間まで待てない
すぐ部屋の風呂に入った
新館を予約して正解だった
大風呂に入らなくても構わない
浄瑠璃寺の納経所でいただいたお接待のせんべいを食べながら夕食を待つ
すっかりお腹が空いた
夕食の席につく
道中たまに見かける遍路がいるのに気づいた
金子やの風呂場に始まり、鶴林寺への坂道、四万十川、内子町からの国道、そして昨日の古岩屋荘の階段とその姿が気になっていた
なにせ身体が相撲取りのごとし
かなり目立つ体型だ
鶴林寺の坂道を登るのも大変そうに思えた
なのに、行く先々で出会う
挨拶すると、たまに乗り物を利用している、という
歩きだけでは、とてもここまで来れません
そりゃそうか
夜中まで歩き続けるはずもなし
遍路は自由だ
それもよし
明日は小学校以来親しくしている友人Tと松山市で会う
何日も前から楽しみにしている
相手も無職で、暇をみては青春18きっぷで鉄道の旅をしている
宇和島城を見たあと、松山まで戻って来る予定らしい
問題なのは宿
7日前に何件か予約の電話を入れると全滅だった
気づけば、明日は3月31日土曜日
春休み中の週末だった
宿が取れないことをTに話すと、自宅のパソコンを使って予約可能な宿を見つけてくれた
場所も比較的わかりやすい
すぐに予約した
Tも同じ宿を取った
都会はこれだから困る
まして観光地となればなおさらだ
宿の情報は
四国歩き遍路 32日目 久万高原には評判の宿ばかり
更新2020年9月8日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
32日目の行程
たちばな旅館⇒第44番大寶寺⇒第45番岩屋寺⇒国民宿舎古岩屋荘
たちばな旅館
けっこうなボリュームの朝食
食堂はまたひとりだけだった
遅くに泊まったのは会社員らしい
もう出発したのか、食事をした形跡がなかった
本当に送らなくていいの?
再度、確認された
もちろん歩く
お礼を言って宿を後にする
第44番大寶寺
まずは鴇田峠を目指す
久万高原には宿が多くて助かる
しかも評判のいい宿が多い
贅沢だが、選択肢がありすぎるのも問題だ
宿の選択にはかなり悩んだ
当初は大寶寺のみ参拝して、岩屋寺は次の日にと考えていた
それでも、コースを検討をしながら、距離の計算を繰り返した
すると、最初の計画ではかなり時間の無駄が多いことがわかった
確かに、峠の山道から大寶寺まで何時間かかるか不安はある
でも、なんとか岩屋寺まで歩ける気がした
それで、予定を変えた
大寶寺までの距離がわかり始めた
しかし、これは自動車用
歩き遍路が惑わされてはならない
ここから本格的な山道がはじまる
やっと久万高原町に入った
ところどころに民家がある
人が住んでいるのか怪しいが
お寺はまだまだ遠い
鴇田峠が近くなった
この道が主街道だったとは
けっこう大変だ
ようやく町が見えてきた
思っていたより大きい
ここからの下り道
林道工事のため大きく迂回するはめになった
ヤレヤレ
第45番岩屋寺
久万高原はイメージしていたのとは、やはり異っていた
活気があり、人も店も多い、外国人の多さにも驚いた
ドラッグストアーがあったので、テーピングテープを購入
毎日使っているとどうしても補充が必要になる
飲料が安かったので、1本購入
ここに来るまでで、けっこう汗だらけになった
ここから岩屋寺へは八丁坂を経由していく
どうもこの道が正式らしい
八丁坂はかなりの急坂と聞いていた
今日の峠越えで足には相当ダメージがある
坂の様子を尋ねよう
ちょうど坂を下って来た遍路に声をかけた
あれ~Cさんじゃないですか
なつかしい顔とここで出会ったことに、ビックリ
民宿旅路からあの低気圧のなか金剛福寺まで、先に歩いて行ったCさんだった
まさかここで出会うとは
運命も出会いか
坂は思ったほどではないよ
そう言うと、バスの時間があるからと、あっという間に行ってしまった
もっと話をしたかった
でも、バスの時間があるなら仕方がない
確か千葉県から来ていたはずだ
ここから帰るのは大変だ
確かに八丁坂は思ったほどではなかった
聞いといて良かった
しかし、そのあと岩屋寺までの下り
これがキツかった
そもそも下り坂のほうが気を遣う
脚を痛めるのは下りと、相場は決まっている
八丁坂経由で行くと、裏門から入った気になる
ところがこれが正門
ここがお寺の入口になる
だから、八丁坂経由が正式とされる
帰りは車道まで下りて宿へ行くことになる
長い長い石段を下る
門が見えてきた
駐車場から登って来たひとが初めて見るのがこの門
実はただの山門にすぎない
正式こだわるならもっと登って、正門まで行く必要がある
かなりしんどいけど
車道から登って来る人は皆
キツイ、キツイの大合唱
下っているこちらは楽に見えるらしい
岩屋寺から下るだけならそう思われても仕方がない
しかし、峠越えに加え、八丁坂の上り下りを経験してきたこの身である
この下りの長さは試練でしかなかった
国民宿舎古岩屋荘
車道を歩くと宿までがずいぶん長く感じた
足が棒になる気持ちがよくわかる
宿に着いてみると、まだチェックインまで時間があった
なんとここはチェックインが16時だった
疲れていたので、ダメ元でフロントに行った
もう準備はできています、部屋もお風呂も大丈夫です
良かった、チェックン出来た
館内の案内図を渡され、説明を受ける
風呂は温泉らしい
だったらなおさら、早く入りたい
実は説明を受けてから夕食を食べるまでの記憶が飛んでいる
まったく覚えていない
それほど疲れていた
うどんの鍋が特においしかった夕食
レストランでの食事はゆったりとしていただいた
今日の疲れは昨日の寝不足が関係しいてるかもしれない
今夜はぐっすり眠りたいものだ
宿の情報は
四国歩き遍路 31日目 四国の夜は春でも暖房
更新2020年9月7日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
31日目の行程
ときわ旅館⇒別格第8番十夜ヶ橋⇒たちばな旅館
ときわ旅館
Hさんは三好旅館の時と同じく、早々とスタートした
三好旅館ではみんなに合わせたが、今日はスロースタートのIさんがいる
ゆっくり準備をして出発
玄関に靴が一足残っている
例によってIさんはまだ旅館にいるようだ
別格第8番十夜ヶ橋
ときわ旅館からお寺までは近い
永徳寺とも呼ぶらしい
寺の前を走る国道は交通量が多い
道路を渡るのに気を付けないと危ない
実際の橋が上の写真
橋の下はこうなっている
ここで野宿をする人がいる
すごいなぁ
たちばな旅館
宿の予約は7日前には済ますようにしている
予約して日にちが経つとお互い不安になる
だから、前日には必ず確認の電話を入れる
向こうも安心するだろう
今日泊まる、たちばな旅館はへんろ道から少し外れている
そのせいかだろうか
へんろ道沿いにある落合トンネルを過ぎた公衆電話まで迎えに行きます
と予約の時言っていた
全行程歩きたいのでもちろん断った
ところが、昨日の電話でも、遠いから迎えに行くという
地図で確認したが、へんろ道から宿までたいした距離ではない
その親切はありがたいが、やっぱり断る
内子の町へ入って来た
内子は観光都市の風情がある
町中を歩いていると、そんな感じがする
行かなかったが「内子座」など見所も多い
寄り道するにはいい町だろう
「四国のみち」は信用できないことが多い
ここはへんろ道案内があるから大丈夫
内子を抜けるとあとは国道を歩き続けるだけだ
国道は平坦ではなく登りになる
遍路がよく休んでいるのを見かける
女性のふたり連れ、夫婦、そしておじいちゃん
今日は暑い、暑すぎる
みんな相当へばっている
こちらも空いているへんろ小屋を見つけて、少し休む
座ったら最後、足がジンジンして当分立ち上がれない
歩きはじめも悲惨だ
かかとや土踏まずに痛みが出て、ゆっくりとしか歩けない
だから、あまり休みを取りたくない
しかし、今日はさすがに例外としよう
久万高原へ行くための分岐点に着く
農祖峠を行くか、鴇田峠を歩くか
宿の関係で 、鴇田峠に決めていた
農祖峠だと遠回りになる
ここから落合トンネルはまだ先だ
道路は立派だが交通量は少ない
落合トンネルを抜ける国道をそのまま歩く
明日はまたここまで戻ってくる
町が見えてきた
ここに、たちばな旅館はある
玄関で到着を告げる
料理を作っていたご主人から不思議そうな声で言われた
本当に歩いて来たの?
ときわ旅館さんからでしょう
こんな時間に来るひとは珍しいけど
もしかして疑われている?
嘘をついてなんの得があるのか
まあ、なにを言われようが、本当に歩いて来たのだからしかたがない
気にしないことにした
2階の大きな部屋に案内された
ストーブがある
朝晩はまだ寒いので、必要ならつけてください
風呂はすぐ準備します
すぐ風呂を用意してくれるのはありがたい
ストーブか、正直この時期にはいらないと思った
あれだけ歩いても、これだけ食べればお釣りがくるだろう
食堂にはひとりだけだった
もう一人、遍路でないひとの泊まりがある
遅く着くので、と女将さん
明日は5名の予約が入っているらしい
今日は静かだ
日中しっかり歩いたし、食事もたっぷりいただいた
広い部屋にはひとりだけ、宿泊者も少ない
風呂もゆっくり利用した
さぞかしぐっすり眠れると思えば、さにあらず
寝苦しかった
寝る時はストーブが必要になった
しかし点けると、あったか過ぎる
切ると寒すぎる
室温の調整が難しかった
宿の情報は
四国歩き遍路 30日目 大洲城で満開の桜を堪能
更新2020年9月6日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
30日目の行程
ときわ旅館⇒別格第7番出石寺⇒ときわ旅館
ときわ旅館
今日も天気に恵まれた
連泊だから、荷物は置いて行くことにする
別格第7番出石寺
いただいた手作り地図を持って出発
これがあれば安心だ
ルート地図は持っている、案内板も要所要所に立っている
迷う心配がない
お寺までの距離を教えてくれる看板
あと何キロかがわかれば、気持ちが楽になってくる
もう1km歩いた
これはボーイスカウトの手作り案内板
ときわ旅館さんは親子で手伝ったと聞いた
ここからは少し急な山道になる
山道を登り切れば
お寺に到着
境内は思ったより、広い
山寺なのに、きれいなお寺
ここまで来るのになんの問題もなかった
帰りも楽勝だと安心していた
ところがそれが、大間違い
案内板を信用して、地図をあまり見ていなかった
曲がりどころを間違えたようだ
どうも風景が来た時と違う
道に迷うことにかけてはなぜか自信がある
普段でも、四国でも、豊富に経験している
今回も山道をあっちへ行ったり、こっちへ来たり
いつもと違うのは、焦っていないことだ
あとは宿に帰るのみ、得に用事はない
気楽に構えることができた
心に余裕をもてたことが、よかったのか
見覚えのある道に合流した
あとは1本道だ
いや、1本道だったはずだ
う~ん、1本道かもしれない
頼む、1本道であってくれ
おう
めでたく1本道だった
安心して緩やかな下りを歩いていると
山の作業をしている男性に出会った
お遍路さん、この車道をそのまま歩くのは大変だ
少し先に左へ入る道がある
そこを行けばだいぶ近道になる
山道は歩きやすいし
駅方面に出るけど、駅からの道はわかりやすい
行ったらええ
このままいけば、1本道だ
来るとき通った道だし、地図もある
遠くても、車道を行くべきだろう
地図に近道は載ってないし
でも、親切な男性は、立ってずっとこっちを見ている
左に入る道を間違わないか、気にしてくれているようだ
さあ、困った
どっちに行くべきか
あっ、ここか
左に入る道がある
思ったより細い道だった
少し心配になった
ありがとうございます
やっぱり、車道、で行きます
大声を出したつもりだった
聞こえただろうか
男性は作業に戻った
聞こえたことにする
大洲の街に下ると、人のにぎわう場所があった
大洲城入口
坂を登る一団の後についていく
おお、桜が満開だ
これは見逃せない
ここで花見を楽しめるとは思わなかった
歩いていると桜を愛でる余裕がない
遠景もきれいだ
宿に帰る時、無性にお好み焼きが食べたくなった
宿のそばで一軒見つけたが、営業中ではなかった
ときわ旅館
昨日宿の写真を撮ってなかったので記念撮影
風呂にも、もちろん夕食にも、早い時間だった
宿の奥さんには、もう行ってきたんですかと言われる始末
ここら辺にお好み焼を食べるお店はありますか
ご主人に伺うと
フジグランにはあったような気がする
うん、そうそう、あるある
フジグランという大型スーパーの場所を教えてもらい
行ってみる
食堂街にテナントで入っているはずだったが
残念ながら、移転していた
食べれないとなれば、ますます食べたくなるのが人情だ
探す時間はタップリある
むやみに歩いても時間の無駄だ
とりあえず、宿に戻った
もう一度、ご主人に確認してみる
歩いて行ける距離にはないかもしれない
諦めも肝心だ
明日からの楽しみに取っておく
部屋でのんびりしていると、夕食の案内があった
今日の泊まりは3名らしい
あれ~
食堂に入って来た男たちを見て驚いた
どちらも知った顔だ
ひとりは神峯寺の登りで会って以来のIさん
もうひとりが柏坂のおばちゃん遍路の連れと勘違いした男性遍路で、埼玉県から来たHさん68歳
3人で楽しい夕食を囲む
運ばれたお皿を見ると
おや、自分のだけ料理が違う
初日と同じ料理では飽きる、と思ったのかもしれない
なら、こちらの料理に他のふたりの料理を合わせればいいだけのこと
一泊と連泊の宿泊客に同じ料理をださない
手間はかかっても、サービスのスタイルを曲げない信念を感じた
宿の情報は
四国歩き遍路 29日目 遍路宿は魚料理が中心、魚嫌いには苦行
更新2020年9月5日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
29日目の行程
民宿みやこ⇒第43番明石寺⇒ときわ旅館
民宿みやこ
食べた食べた、すべて美味しくいただく
ただ、食事中、話し好きのご夫妻が何かを気にしている様子が気になった
食事を済ませると、ご主人がほっとした顔になった
そして、元気になってよかった、実は心配しとったと
今度は女将さんが
昨日の夕食、鯛もほとんど残して、体調が悪いのかと夫婦で話しとったんよ
朝ごはんをこんなにパクパク食べて安心したそうだ
体調を気遣ってくれるやさしいご夫妻
今まで、口に出してそこまで心配してくれた宿はなかった
感謝しかない
だから 本当は魚が苦手、とは言いにくい
あいまいに笑ってごまかすしかない
朝食は全部食べたし、安心してもらえたし
それでもいいか
自宅でも刺身や小魚はたまに食べる
しかし、丸ごとの魚は食べないので、骨を除く上手な食べ方ができない
自然と、ちびちび小骨を探りながら食べる
これはとても疲れる食べ方だ
歩き疲れたうえ、食事で疲れるのはたまらない
だから宿で魚を出されると、いつも手をつけなかった
メインの魚料理を食べないとなると、エネルギー不足に陥る
時々、夕食を頼まず、ファミレスやスーパー、コンビニ飯にしたのはそれが理由だ
第43番明石寺
へんろ道を抜けた先に高校があった
県立宇和高校
朝の登校時間のはずだが、すれ違ったのは数人の生徒だけだ
不思議に思ったが
なるほど、ここにも少子化の波が来たかと一人で納得した
参拝を済ませて歩きだした時、はたと気がついた
今日は3月26日
高校は春休みだ
部活の朝練などを除いて、用のない生徒が登校するわけがない
また勘違いしてしまった
そうまただ
忘れもしない3月初旬
鮒の里に泊まったときのこと
夕食時に「笑点」のテーマが聞こえてきた
普段テレビは見ないほうだが、さすがに笑点は知っている
へぇー、徳島ではこんな日に放送してるのか、かわってるなぁ、と思った
寝る前に何気なく携帯を見る
そういえば、今日は何曜日だったか
3月4日 日曜日
徳島では日曜日以外に笑点を放送しているんですね
なんて余計な感想を夕食の席で言わなくて、本当によかった
おっと、素敵な町並が見えてきた
歩くのが楽しくなる通りだ
風情があるし、そこにある商店1軒1軒に活気が感じられた
これからは鳥坂峠に進まなくてはならない
歩道が狭いと聞く鳥坂トンネルは、さすがに危険すぎる
ずっとへんろ道を歩くつもりが、途中国道に出てしまった
しかたがないので、そのまま国道を歩く
下り坂の国道
危険はないが、交通量は多い
道はくねくね曲がっていて、眼下に街が見えるのに、一向に進んだ気がしない
街はずれのスーパーまで来たとき、久々に休憩をとった
ときわ旅館
それでも2時30分に宿に到着
少し早いので、時間を潰すことも考えた
でも、今日はもうくたびれた
宿に入れなくても、外で座っているほうがいい
不在かなと思いながら声をかけると
温かく迎えられた
風呂もすぐに用意してくれた
洗濯、乾燥はお接待
ありがたい宿だった
ここには連泊の予約を入れてある
明日参拝予定の別格出石寺のルート地図と資料をいただいた
夕食までの間、往復の時間などを検討する
別格の情報は、書籍はもちろんネットでも少ない
出石寺に関しては、ときわ旅館頼みだった
本日の宿泊は二名
区切り打ちの男性遍路は、鳥坂峠の登り口を通り過ぎ、仕方ないので鳥坂トンネルを抜けて来たらしい
何度も歩いた道なのに、登り口をうっかり見逃した
あのトンネルは絶対通らないほうがいい
体験者ならではのアドバイス
やっぱり、鳥坂峠を選んで正解だった
明日の朝一番、始発の電車で静岡まで帰るらしい
遠くから何度も来ることを思えば、通して歩くより、区切り打ちのほうが大変かもしれない
食後、おはなはん通りを見てくると出かけていった
誘われたが、こちらは明日も遍路が続くので、遠慮した
四国歩き遍路 28日目 遍路ノートは時空を越える
更新2020年9月4日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
28日目の行程
三好旅館⇒別格第6番龍光院⇒第41番龍光寺⇒第40番仏木寺⇒民宿みやこ
三好旅館
高齢の女性遍路は珍しい
まして、登山用ストックを二本持って、器用に歩いていると嫌でも目立つ
だからみんなの記憶に残っていたのだ
そういえば、三陽荘から宇佐大橋方面に向かっていた朝、橋のほうから颯爽と歩いて来るこの人とすれ違った気がする
連れがいたどうかまでは覚えていない
おばさん遍路と話してみた
柏坂の展望台でお見掛けしましたね、お連れは?
ひとりで歩いているのよ
その人とは展望台からの絶景についてしゃべっていたかな
誰とでも仲良くなれるのがお遍路の良さでしょ
それと、その人も昨日の夕食の席にいたわよ
ゲゲッー、全然気が付かなかった
そもそも、男性はおとなしい感じだったし、特徴なかったし
どうも、追いかけてたのではなく
年の割にあまりに速いので、競争心が芽生えたらしい
おばさんは短距離を歩くのは速くても、長時間歩くのは苦手だとか
だから、歩いては休み、歩いては休むスタイルになる
しかも話し好きなので、休む時間のほうが長いと言う
話していると、もう出発の時間だ
旅館がくれた栄養ドリンクを飲んで、全員競うように歩きだした
別格第6番龍光院
国道56号の松尾トンネルを抜けて宇和島市内へ
街の中心地にあるとは思えない、静かなお寺だった
お接待をいただく
第41番龍光寺
宇和島から、車道をひたすら歩く
務田駅の手前を左折し、畑の中を通ってお寺へ
納経所で、歩きながら食べて、とお菓子のお接待をいただく
また、仏木寺へは墓を通ると近いから、と道順も教えてくれる
第42番仏木寺
のどなか道を歩いて仏木寺に到着
民宿みやこ
歯長峠が通行止めだった
しかたがないので林道を迂回する
三好旅館に宿泊していた遍路はベテランばかり
朝食も、出発も、早いスタートだった
それで、こちらもつられ早く出てしまった
いつもなら、もっとゆっくり出発するのに
おかげで、みやこの女将さんから、もう着いたの、と不思議がられた
時計は3時10分を指していた
自分でも驚くほど早かった
三好旅館を出て、ここに泊まる人も多いらしい
写っているのは宿泊部屋へと続く玄関
風呂は自分で入れるタイプだった
今日はほかに誰も泊まらないので、勝手に使ってと言われる
夕食は隣で営業している食堂でいただく
ご夫婦とも話し好きだ
ひとりでも退屈しない
食事が終わると、お接待の品を段ボールから取り出した
以前ここを定宿にしていたお遍路さんが、もう歳で四国には行けないけど、ほかの遍路の役に立てればと、長崎から送って来るらしい
85歳の元おばあちゃん遍路に自分の納札を届けてもらうようお願いして、ありがたく頂戴する
部屋には遍路ノートが置いてあり、さまざまな思い出が書いてあった
なぜか、悪天候の中、夜中に到着する遍路が多かった
時間があるので、こちらも自分の思いを文字にする
字が汚いが読めるだろう
あすは満室だそうだ
時期的に見て、これからますます遍路の数は増えるはず
この遍路ノートを誰が読み、どんな感想を持つのか
会うことのない人へ、思い出を記すノート
過去、現在、未来
思えば、ノートを読みながら、不思議な時を過ごしていた
宿の情報は
四国歩き遍路 27日目 遍路に来れた、それだけで喜ばしい
更新2020年9月3日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
27日目の行程
青い国ホテル⇒三好旅館
青い国ホテル
今日のコースは柏坂を越えれば、あとは楽勝だ
久しぶりに、ゆっくりと朝食をとる
三好旅館
まずは国道56号を行く
室手海岸の看板
太平洋を望む
美しい景色に心が癒される
少し沖にある3つの島
写真では見にくいが、あれがいいアクセントになっている
晴天で本当によかった
ここから国道から外れ、山に近づいていく
案内板に従って柏坂を登る
今日は急ぐ必要がまったくない
山道を楽しみながら、ゆっくり登っていく
四国を歩きはじめた頃を思い出す
初日は戸惑うばかりだった
それでも、道行く人に挨拶をして、ちゃんと挨拶を返された時、お接待を受けた時、山道をひとり歩く時
そんな時には、遍路に来たうれしさで涙ぐむ自分がいた
もう27日目になる
うれしい気持ちに変わりはない
昔は60歳になると定年を迎えるのが普通だった
今は雇用延長が可能だ
希望すれば、退職することなく働ける
いい時代になった
だから、定年で退職する人はほとんどいない
特別な事情がない限りは
10年以上前から歩き遍路がしたかった
お寺には、あまり興味がない
いろんな道をただひたすら歩きたかった
四国遍路は条件にぴったりだった
適当な場所に宿やへんろ小屋があり、道に迷わないよう道案内まである
四国は遍路情報が豊富だし、お接待の文化もある
迷わず定年で退職した
そして四国へ来た
ここに居るだけで、浮き浮きする
柏坂のビュースポット
多くの遍路が立ち止まり景色を眺めていた
いつものように写真を撮るとすぐに歩きはじめる
下り坂が続く
横を遍路が追い越していく
柏坂のビュースポットで休んでいた、おばさん遍路だ
ひとは見かけによらぬもの
登山用のストックだろうか、2本を器用に使い、タッタッタッとリズムよく下っていく
あとから男性遍路がやってくる
追いかけるのが精いっぱいのようだ
おばさん遍路はそれくらい速い
確かふたりは同じベンチで休んでいた
連れだろうか
宇和島が近くなった
三好旅館は歴史を感じさせる建物だった
宿泊はこの本館だ
食事の時は近くにある別館に移動する
早めに着いたが、すぐに部屋へ案内された
助かる
風呂もこの時間から利用できた
一番風呂だった
もちろん、洗濯・乾燥も一番
おかげで、食事まで部屋でのんびりできた
今日の宿泊者は多い
もし着くのが遅かったら、順番待ち必至だった
夕食の案内があったので、別棟に移動する
遍路が多い日は賑やかだ
右に枝豆が乗った皿がある、その皿の左に盛り付けられているのがサメ料理
サメは地元の郷土料理とか
味?
口に合わなかったが、珍しいので全部いただいた
残念ながら他の遍路からも、美味しいの声は聞かれなかった
食事が進み、遍路どうしが馴染んできた頃、おばさん遍路が入ってきた
遅くなりました
にこやかに席に着いたのは、アノ柏坂のおばさん遍路だ
その場にいた人が口々に、あんた歩くのが速かったなぁ
みんな知ってるみたいだ
有名人なのか
そういえば、追いかけていた男性遍路はどうした
いろいろ気になったが、聞くチャンスがなかった
宿の情報は
四国歩き遍路 26日目 遍路宿にも高齢化の波
更新2020年9月2日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
26日目の行程
鶴の家旅館⇒第40番観自在寺⇒青い国ホテル
鶴の家旅館
食堂に行くと、ドイツ人遍路がひとり朝食を食べていた
他には誰もいない
もしかして、遍路はふたりだけなのか
かなりの人が泊まっていたと思ったが
ペットボトル用にお茶を頼むと、冷たい麦茶となぜか熱いほうじ茶を用意してくれた
その理由は7時に玄関から出るとわかった
今朝、外は寒い のだ
第40番観自在寺
今日は宿毛市に出て、松尾峠を越える
雨宿りできそうな場所を探して、足早に歩く
荒れた廃屋の軒先にHさんを見つけた
一緒に雨宿りをする
いつも同じお気に入りの宿に宿泊することは前に聞いていた
昨日の宿は以前とだいぶ様子が違ったらしい
Hさん曰く
昨夜泊まったのは、延光寺のすぐそばの宿
いままでは美味しい手作り料理が楽しみだった
ところが、昨夜の夕食はスーパーの総菜を使ったようなおかず
あまりの違いに、がっかりしたらしい
また、足摺岬の打ち戻り途中にある、女将さんの気遣いで人気の遍路宿
そこも代替わりして、昔のような気遣いが全然感じられなかったそうだ
あの女将さんの気遣いをまったく受け継いでいない
ショックが大きかった、という
それはどれも、高齢化による変化に違いない
遍路宿とて、その波を避けられない
残念な現実だ
小雨は止みそうもなかった
しかたがないので、ポンチョを被り、お互いに歩きだす
ふたりとも、リュックカバーを使わない
経験してわかっていることがある
実は、雨の日に、リュックカバーはほとんど役に立たない
信用すると、リュックの中身を濡らすことになる
Hさんのポンチョは有名メーカーの高級品だ
しかし、風が少し強く吹いたり、横を通り抜ける車の風圧を受けると、しばしばまくれ上がっている
小雨といえども、度重なると太ももや腰が濡れている
もしかすると、リュックの下のほうも雨がかかっているかもしれない
そもそも歩きにくそうだ
自分のポンチョは風に強い
いいなぁ、どこの?
聞かれても困る
風に強いこと、それだけで買ったものだ
名もなきメーカー製
その名も忘れてしまった
レインズボンを履けば同じ事、と思うかもしれない
でも、正直なところレインズボンはよほどの大雨でない限り、履きたくないのだ
なぜなら、トイレの時に困るから
普通のズボンならチャックが付いているので、問題ない
レインズボンは防水性を高めるため、チャックがついていない
だから、トイレに行く度、面倒くさい思いをする
それが嫌で、上半身にポンチョは被るが
下半身は、普通のズボンのままでいることが多い
いつの間にか日が差してきた
ポンチョをたたみながら、Hさんはゆっくりして行くという
Hさんと別れ、宿毛市内から松尾峠を目指す
これだけ案内されると迷わない
この地区は念には念で、複数の親切な案内が多い
松尾峠に到着
眼下に宿毛湾を望める
いい景色だ
こんな遍路を惑わす案内もあった
松尾峠を下ると観自在寺は近い
ここら辺で少し迷ってしまった
あちこち歩いていると、またHさんと出会った
道に迷って、遠回りをしたらしい
Hさんは今日、宇和島まで歩くという
こっちはずっと手前、愛南町泊まりだ
Hさんが毎回利用する休憩所に到着
トイレだけ行き、じゃあと言って別れた
観自在寺までもう少しのところまで歩いてくると
近くの弁当屋から軽自動車がでてきた
急に止まると男性が降りてきて、お遍路さん、お接待で弁当をどうぞ
弁当を差し出された
明らかに弁当は自分用に買っている
しかも、今買ったばかりだ
車接待以外、断らないと決めている
しかし、さすがにこれをもらう訳にはいかない
気持ちだけいただくことにする
丁重にお礼を言って、別格用の納札を差し出す
納得してもらえただろうか
お気遣い、 ありがとうございました
あっ、鶴の家旅館で出会ったドイツ人遍路だ
境内のベンチにひとり座っている
宿を出る時は、まだ出発していなかった
見た目より足が速いのかもしれない
話しかけてみる
やはり言葉が通じない
身振り手振りで手帳にサインを求められた
よくわからないまま、ローマ字で名前をサインした
青い国ホテル
ホテルは近いが、チェックインにはまだ早い
すこし先のジョイフルで夕食にする
ジョイフル的にはディナーではなくランチの時間帯だった
水のお代わりをして席に戻るとき、窓からHさんの姿が見えた
向かいの道路を宇和島方面に急いでいた
これで最低1日分の差が出来る
もう、追いつけないなと思った
ホテルでは人とのふれあいは望めない
でも、個室だとゆっくり出来る
だから、たまにはホテルがいい
そう言えば、ここはもう愛媛県だった
宿の情報は
四国歩き遍路 25日目 遍路地図も完璧ではない
更新2020年9月1日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
25日目の行程
民宿いさりび⇒第39番延光寺⇒鶴の家旅館
民宿いさりび
今日は晴れそうだ
落ち着いた気分で朝食をいただく
靴は今までで一番濡れていた
ところが、新聞紙を3度交換したおかげで、朝にはしっかり乾いていた
第39番延光寺
2日前に立ち寄った「カフェダイニング」の隣にある休憩所まで戻る
ここから国道を外れて、山に入っていく
三原村付近を歩いていると、「おーい」と呼ぶ声がする
声のほうに振り返ると、ずっと奥にある建物の隅にHさんが座っていた
大岐海岸の感想を話そうか
そう思ったが、こんにちはと挨拶しただけで、通り過ぎた
実はこの先、星ヶ丘団地にあるトイレを目指して、急いでいたのだ
団地に入ってもトイレの場所がなかなかわからない
やっと見つけて、小用を済ませ、へんろ道に戻るとHさんとバッタリ
事情を話すと
自分が休んでいたあの場所にトイレはあったのに、という
地図にトイレの記載はなかった
そうなのだ
遍路地図も完璧ではない
毎年改訂されるわけではないのだから、当然だ
最新の情報だと、勝手に判断してはいけない
特に注意が必要なのが、地元のスーパー
地図に載っていても、廃業してることが多い
だから、開いている店を見つけたら、必要なものはその店で調達したほうがいい
この先、地図どおりに店があったとしてもだ
ない時の後悔は計り知れない
Hさんは延光寺そばの民宿に毎回泊まるらしい
驚いたことに、すべての宿の予約を済ませて四国に来ていた
朝暗いうちから歩くのは、スケジュールどおり進むためだった
よく休憩しているのは、時間調整のためらしい
このままのペースで行くと、宿に早く着きすぎる
のんびり行くからとHさん
Hさんと別れて間もなく、平田の街に入る
今日の宿は朝食しか頼んでいない
夕食を調達する必要がある
地図にはスーパーひらたとローソンが載っている
自宅近くにはコンビニもあればスーパーもある
だが、利用するのはもっぱらスーパーだ
コンビニにはあまり馴染みがない
だから、スーパーがあるならスーパーを利用したい
ところが、そう、廃業していた
仕方がないので、コンビニに入る
コンビニから出ても、時間は14時前
宿に入るには早すぎる
明日の予定だったが、延光寺まで行くことにする
昨日濡れたおかげで、白衣はしっかり洗濯している
だから良かった
そうでなければ、今日延光寺には行けないところだった
これで鶴林寺の鶴と合わせて、鶴亀のおめでたい白衣が完成した
白衣の洗濯が済んでいたから今日参拝できたと、納経所のひとに話しをした
ところが、洗濯したきれいな白衣を着て亀のご朱印を頼む遍路は少ないらしい
白衣のことは、そんなに気にしなくてもいいですよ、と言われた
それが礼儀だと思って洗濯したのだが、別にどうでもよかったようだ
鶴の家旅館
ローソンで調達した夕食
ここには外国人遍路が宿泊していた
ドイツから来たらしい
男性だった
残念ながら、日本語があまり話せない
大学の教養課程で第二外国語はドイツ語を選択していた
はるか昔のことだ
もう少し、熱心に勉強しておけばよかった
せっかくのチャンスだったのに、会話がほとんど続かなかった
宿の情報は
四国歩き遍路 24日目 経験したことのない低気圧に襲われる
更新2020年8月31日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
24日目の行程
民宿旅路⇒38番金剛福寺⇒民宿いさりび
民宿旅路
遍路中は疲れているので、ぐっすり眠れる
夜中に起きることはない
だが、この日は違った
宿の裏は林になっている
そして、すぐに太平洋が迫る
そんな地形が影響するのか
猛烈な強風が部屋を揺らした
雨が激しく窓を打ち続ける
外では不気味な音が鳴り渡る
揺れと音で何度も目覚めた
部屋は2階だった
建物自体が吹き飛んでしまわないかと心配になった
朝、宿の女将さんが教えてくれた
発達した低気圧のため今日1日は、もっと荒れるらしい
もう一人の宿泊者が遍路のCさんだ
Cさんは可能な限りへんろ道を歩くスタイルのひと
金剛福寺からは打ち戻らず、月山神社へ行く1番遠いコースを歩くらしい
コースについて詳しくはこちら
朝食が終わるとCさんはすぐに出発した
こちらは打ち戻りコースだから、もう1度ここへ帰ってくる
荷物は置かせてもらった
第38番金剛福寺
外に出ると、予想どおり激しい雨
ゴーゴーと鳴る音に比べると、実際の風はまだ大人しく感じる
途中、Cさんとバッタリ
海沿いのへんろ道は荒波と強風で危険なため、車道まで戻ってきたらしい
Cさんはそのまま車道を足早に歩いて行き、視界から消えてしまった
窪津漁港を過ぎたあたりで、風が猛烈に強くなった
正面から来る強風で、足を前に踏みだせない
両脚で踏ん張り、前傾姿勢をとっていないと、吹き飛ばされそうになる
しばらくそのままの状態が続いた
宿に帰ろうかと一瞬考える
こんな日に歩く遍路が何人もいるはずがない
宿で待機するのが普通だろう
それでも、じっと耐えていると風向きが変わる
なんとか前に進めるようになった
とにかく行くしかないと、弱気を振り払う
向こうからが歩いてくる遍路がいた
この先の情報を聞いた
大丈夫、なんとか行ける
お寺の前の道路は、風雨が凄いのでそれだけは注意して
これから進む道を経験した人の話を聞くと安心感が生まれる
なにより、この状況で歩いているのがひとりやふたりでないと感じ、心強くなる
また一人、遍路とすれ違う
同じことを聞く
同じような答えが返ってくる
ますます安心する
津呂にへんろ小屋があった
トイレと水道を、往復利用させてもらった
雨の日でも、今日はやたらと喉が渇く
金剛福寺の前の道路は教えてもらったとおり、強風が吹き荒れていた
ところが、お寺に入ると静かになる
雨が降ってはいるが、穏やかな境内
寺から一歩出ると、強風が襲ってくる
どうもこの道路付近が風の通り道になっているらしい
すぐそばに展望台がある
駐車場を横切って行こうとした
展望台の方向から車に戻る観光客風のカップルから声がかかる
お遍路さん、展望台に行っても雨風が凄いだけ、やめたほうがいい
それでも近いので行ってみた
やはり助言には素直に従うべきだった
立っているのがやっと
雨が目に当たり、景色を見るどころではない
すぐに展望台から下りた
でもやっとここまで来たんだからと
展望台のようなことはない
それでも油断は禁物
動画を撮る時ちゃんとつかんでいないと、携帯が飛ばされそうになる
後で撮った動画を見たら、しっかり指が入っていた
帰りは風が背中を押してくれる
楽に歩けた
女性の遍路が前傾姿勢で左右に揺れながら、こちらに歩いてくる
頑張れ、負けるな
そう思うと、聞かれもしないのに
この先の状況を伝えていた
旅路まで戻って来た
預かってもらっていた荷物を持って今日の宿へ
民宿いさりび
風はやや収まったが、雨は一層激しくなった
道はほとんど川だ
こうなっては防水性の靴といえども役に立たない
びしょ濡れの状態で宿に着いた
高知では毎春こんなすごい低気圧がやってくるんですか
宿のご主人に聞くと
いや、こんなにすごいのは初めて、いつものとはレベルがちがうという
キャンセルの電話が続いたのだろう
今日は飛び入りの遍路がひとり来ただけで、ほかに宿泊客はいなかった
今夜はゆっくり眠れるだろうか
宿の情報は
四国歩き遍路 23日目 遍路は自分のペースで歩くことがベスト
更新2020年8月30日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
23日目の行程
民宿日の出⇒民宿旅路
民宿日の出
朝は曇り空
予報では3時ごろから雨
雨の降る前に次の宿に着きたい
逆打ちのご夫妻は奥さんの脚の状態から時間がかかると思ったのだろう
早めに出発した
こちらもグズグズしてはいられない
民宿旅路
国道56号線を少しばかり歩く
遍路地図に従って、国道から入野松原に入っていく
この浜辺の松林は大変歩きやすい
道沿いにトイレも何か所か整備されている
気持ちよく歩いていると、ポンカンが縁で知り合ったベテラン遍路のHさんと出会った
Hさんは朝暗いうちから歩いているらしい
それでも出会ったのは、ベテランらしく無理をせず、休憩をしっかりとっているからだろう
遍路に来ると、毎回同じ場所で休憩することに決めているそうだ
遍路中、知り合った遍路と一緒に歩くことも多かった
そこで気を付けたいのが、歩くペース
自分のペースで歩いたほうがいい
ペースが違うのに、無理して歩くと、お互いに疲れてしまう
この時もHさんに焼坂トンネルの感想を伝え、お礼を言って先に歩きだす
Hさんも当然、自分のペースで同じ道を後からついて来る
四万十大橋の手前にローソンがあった
トイレを借りる
Hさんもローソンに入って来た
ここで毎回コーヒーを飲むらしい
大荷物の若者遍路が店の外にいた
聞くと、野宿をしながら歩いているらしい
野宿の遍路に初めてあった
四万十大橋を渡る
美しい四万十ブルーに魅了され、立ち止まって川を眺める
しばらくして、Hさんと大荷物の若者遍路が追いついてきた
橋を渡りきるまで3人で四万十川のすばらしさについて語り合った
四万十川を渡ると、またそれぞれのテンポで歩き始める
間もなく伊豆田トンネルに入る
ここは1620mもある
ものすごく長い
ただ、焼坂トンネルと違い、段差のある歩道がある
右側をそのまま歩けば問題ない
伊豆田トンネルを抜けると「カフェダイニング」の隣にトイレのある休憩所がある
あさってには、またこの場所に戻ってくる
トイレを済ませ、休憩所でお接待でいただいたせんべいを食べていた
Hさんが入って来た
宿泊先のお接待で、おにぎりをもらった
食欲がないので、1個食べないか
ポンカンのお返しだなと思い、1ついただく
その時、Hさんからアドバイスがあった
大岐に入ったら国道ではなく大岐海岸を歩くといい
あそこの景色は気に入ると思う
雨の翌日なら砂浜でも歩きやすいだろうし
Hさんのアドバイスに従い
国道321号線から大岐海岸へ降りる
雨の翌日でも砂浜は歩きにくい
砂が靴の中に勝手に入って仕方がない
それに雨が降りそうで、景色をゆっくり見る余裕がない
海岸を最後まで歩こうとしたが、途中、川があって渡れない
この川は遍路地図には載っていない
昨日の雨で自然発生したものだろう
とにかく国道に戻るしかない
なぜか、国道までの距離が長く感じた
結論、わたしは大岐海岸ではなく、国道を歩くことをおススメします
宿に着くと、本日の宿泊者は2名だった
だんだん風が強くなってきた
明日が心配になる
宿の情報は
四国歩き遍路 22日目 お寺も世間も変わりなし
更新2020年8月29日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
22日目の行程
岩本寺宿坊⇒民宿日の出
岩本寺宿坊
宿泊者は2名だ
朝6時から本堂でお勤めをする
渡されたお経のコピーをお坊さんと一緒に唱える
お勤めが終わり、ゆっくりと天井絵を観る
岩本寺は天井絵が有名なのだ
楽しみにしていた絵がある
残念ながら、そのマリリンモンローの絵は見つけられなかった
今日は雨
次の宿泊地まで歩いて移動するだけの一日だ
民宿日の出
カーブミラーに映る
雨の日の装い
看板のお言葉に甘えて、伊与喜川の景観を楽しむ
お寺の納経時間は朝7時から夕方5時までだ
5時前でもあっても、ぎりぎりの場合は納経を断わるお寺もあるという
トイレ掃除に熱心でないお寺もある
ほかに用事もないだろうに
団体が来ると納経所が込み合う
そのため、団体用と一般用の窓口を分けてくれているお寺もある
納経所には親切な人もいれば
無愛想な人もいる
歩き遍路に限って、特別にお接待してくださるお寺もある
次のお寺まで手書きの地図を用意したり、詳しく教えてくれる納経所もある
やさしい言葉をかけてくれる人もいる
淡々と作業をこなすだけの人もいる
お寺もそれぞれ、そこで働くひともそれぞれだ
お寺だからと、特別視しないほうがいい
いわゆる世間と何ら変わりはしない
こういうシールをボランティアで貼ってくれる人がいる
遍路にとってはありがたい存在だ
大方町に入って来た
鯨が見える町らしい
さすが太平洋
道中、こちらから挨拶をするように心掛けている
町の人には無視されることも多い
「頑張って」と声をかけてもらうと、力が生まれる
これは本当にそう感じる
無視されると悲しい
これも修行か
はい、今日の宿に到着
防水性の靴とはいえ多少湿っている
ご主人が新聞紙を用意してくれる
新聞紙の使い方はこちら
今日の泊まりは二組
もう一組は逆打ちの夫婦遍路だという
遍路は回り方も自由である
1番から順番に参拝することを「順打ち」という
一般的な回り方で遍路案内はこの回り方を基準にしている
88番から逆に参拝するのを「逆打ち」という
道案内はほぼない、そのため難易度は高い
また、全部のお寺を一気に参拝して回るのを「通し打ち」という
何回かに分けて回るのは「区切り打ち」だ
ちなみに「打つ」とは、お寺を参拝すること
かつては、お寺に参拝した証に木製や銅製の納札を本堂などに打ちつけていた
今は納札に変わっているが、昔の名残でこう呼ぶ
その関係で、お寺のことは「札所」ともいう
逆打ちのご夫妻も到着して3人で夕食
奥さんが脚を痛めて、遅くなったらしい
明日は岩本寺の宿坊に予約しているという
結構距離がある
大丈夫だろうか
脚を痛めて遍路を続けるのは本当に大変だ
宿の情報は
四国歩き遍路 21日目 危険な焼坂トンネル 恐怖は心の中にある
更新2020年8月28日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
21日目の行程
ビジネスホテルさつき
スーパーで買った今朝の朝食
昨夜2食分食べているから、これで丁度いいか
今日は選択を迫られるコースが2ヵ所ある
焼坂は、峠かトンネルか
七子峠まで、どの遍路道を行くべきか
第37番岩本寺
一番迷ったのが、焼坂での選択
焼坂トンネルは966メートルとかなり長い
なのに、歩道に段差がないらしい
焼坂峠コースは距離的にかなり遠回りになる
その上、標高228mと急こう配が予想される
事前に調べた限りでは、焼坂峠を選択した遍路が多かった
理由はトンネルへの恐怖
ここまで遍路を続けてくると、その気持ちは十分わかる
深く納得できる
毎年多くの遍路が歩くのに、四国の道路整備はすごく遅れている
トンネルは特にそう感じる
歩道は白線が引いてあるだけ
暗くて足元も見えない
歩行者に優しくない
そんなトンネルが多い
さらに、四国へ来るまでトンネルを歩く機会がなかった者が驚くことがある
それは、トンネル内の轟音の凄さだ
車がトンネルに入り、出るまでの間、すごい音量で鳴り響く
この轟音に恐怖する遍路も多い
実は昨日まで、焼坂峠に行こうと半ば決めていた
迷ったのは、ポンカンが縁でベテラン遍路Hさんと出会ったからだ
ポンカンを食べ終わって、Hさんにどの道を選択するか聞いてみた
Hさんはトンネルを行け、という
トンネルの方が早いし、右側を歩けば危険はない
ベテランの意見に従って、焼坂トンネルを選択した
トンネル内の安全対策として反射タスキが利用できる
いよいよトンネルに入る
金剛杖には蛍光テープを巻いてある、ヘッドランプも持っている、リュックにも反射テープが付いている
車対策OK,足元対策もOKだ
トンネルを出て思った
いつものトンネルと変わらない
車もそんなに走っていない
轟音も普通レベル
だだ距離が長いだけだった
恐怖は心の中にあったのだ
今日は天気がいいので「大坂遍路道」を行く
大坂遍路道は標高287m
七子峠まで登るだけである
情報によると、雨の日には通行止めになるそうだ
だから、雨天時には別のルートを選択しょう
もうひとつの「そえみみず遍路道」は標高409m
標高287mの七子峠に行くため、そこまで登らなければならない
この辺は手書きのへんろ札が多い
地域の方々のやさしさを感じる
いままでは、なんてことはない普通の道だった
ラスト1km、ここから急な山道が始った
七子峠まで登れば
あとは国道56号線をひたすら歩く
道の駅に着いた
なぜか道の駅周辺のみ、混雑している
ここの豚まんが人気らしい
1個買ってみた
詳しくはこちら
岩本寺に到着
今日は岩本寺の宿坊に宿泊する
岩本寺宿坊
春季大祭中とのことで、みかんやおはぎなどのお接待があった
今日の宿泊者は2名だそうだ
宿泊者が少ないと食事がでない
受付で教えてもらった近所のレストランへ行く
道順を聞いたので迷うことはなかった
注文したのがコレ
かつ玉定食1000円プラス生ビール
豚肉が有名なのかと思い、かつ玉にした
明朝6時からお勤めがある
いままで宿坊には2度泊まった
どうゆうわけか縁がなくて、初めてのお勤め体験になる
あしたが楽しみだ
宿の情報は
四国歩き遍路 20日目 鍋焼きらーめんは最後にご飯と卵で雑炊にしょう
更新2020年8月27日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
20日目の行程
三陽荘⇒別格第5番大善寺⇒ビジネスホテルさつき
三陽荘
朝食は朝7時に頼んでおいた
泊まり客の大半は一般の観光客だ
遍路はちらほら見る程度
知った顔はいない
今日はいい天気だ
歩きやすい
別格第5番大善寺
ここからはコースが分かれる
宇佐大橋をふたたび渡る
のどかな浦ノ内湾に、いかだの釣り堀が浮かんでいた
立目という地区に入った
このあたりはポンカンの産地らしく、あちこちに無人販売所がある
そのうちの一つで試食をしていると、奥の方から女性が出てきた
お遍路さんお接待です
お接待は断ってはならない
荷物になるが、3個ありがたくいただく
しかし、リュックには入らないし、手に持って歩くにも限界がある
さあ困った
坂を下ったところにへんろ小屋があった
丁度いい、ここで食べよう
1個は完食
でも3個はさすがに多い
道行く遍路を見つけると、へんろ小屋から声をかけた
お接待でもらったポンカン食べませんか
3人目になって、やっといただきます、と答えてくれた遍路がいた
持ち歩くと大変なので、この場で食べるという
ふたりで残り2個を完食
ここで出会ったのが、ベテラン遍路のHさんだった
Hさんはポンカンを食べると、ありがとうの言葉を残して去っていった
こちらは後片付けをして出発する
須崎市郊外に入ると、自転車に乗った男性がニコニコしながら近づいてきた
これで缶コーヒーでも飲んで
手には100円玉
お金のお接待は初めて
ありがたく野菜ジュースと交換した
別格の大善寺は近い
別格のへんろシールは色が違う
注意深く電柱を見ていく
地図で見るとわかりやすい大善寺だが、少し迷いながら到着
別格寺については
ビジネスホテルさつき
ホテルに入る前、偶然、鍋焼きらーめんの店を見つけた
ここまで戻るのは面倒なので、そのまま入店した
店内には芸能人の色紙がいっぱい
3時台なのにお客さんが結構入っている
どうも地元の人気店らしい
期待は高まる
来た~
熱々の鍋に 入って来た~
すぐに食べたいが、熱すぎて食べられない
温度を冷ますのと、すぐに食べたい欲求を抑えるため、芸能人の色紙を眺める
石ちゃんの色紙だけは分かった
ほとんどのサインは難しくて読めなかった
鍋に入っただけのシンプルなラーメンに見える
しかし食べて見ると
とんでもない
「鍋焼きらーめん」というジャンルのとてもうまい一品だった
最後はご飯と卵を頼んで、雑炊にすればよかった
悔しいことに、店を出るときメニューを見て気がついた
残念!
しかし、あれだけ人がいたのに、誰も頼んでいない
中途半端な時間帯が災いしたのか
せっかく満ち足りた気持ちになっていたのに
後悔したら腹が減ってきた
4時過ぎにホテル到着
ここはビジネスホテルといってもマンションの部屋貸しのような感じのホテル
幸運にも、隣がラーメンチェーンの店だった
行ってみると中華の定食があった
雑炊の無念をここで晴らした
宿の情報は