四国歩き遍路 38日目 お遍路は考える旅ではなく、気づきの旅
更新2020年9月14日
ハイよ~!シルバー!のおじいです。
38日目の行程
ビジネス旅館小松⇒第60番横峰寺⇒第63番吉祥寺⇒第64番前神寺⇒西条アーバンホテル
ビジネス旅館小松
朝食はさすがに肉ではなかった
朝からでも食べれたけど
横峯寺へお参りして、またここへ戻って来る
そんな遍路が多い
玄関にはリュックが多数置いてあった
自分のリュックも隅に移動する
実は昨日、間違えて旧旅館の方へ行ってしまった
旧旅館に着くと、玄関に移転先の案内図が貼ってある
それを見て、道順をたどっていると突然旅館が現れた
あわてていて、旅館の写真を撮らずに受付をした
だから、忘れないうちに写しておく
第60番横峰寺
山道はそんなに急ではない
小松のご主人からいただいた手作り地図とへんろ案内があれば、道に迷うことはない
ここから香園寺からのへんろ道と合流する
歩きやすい道だ
納経所で若い僧侶から教訓じみた言葉をかけられた
何故か今日は素直になれない
知った風なことを言うな
経文の勉強はしたかもしれないが、人生経験が少ない人間に何がわかる
どれだけの修行をしてきたのか
教訓を垂れる資格があるのか
反発する気持ちが強かった
昨日の夕食の席で、いろんなお寺の実態を聞いたからかもしれない
ここから10分ほど歩くと奥の院星ヶ森に着く
歩きながら心を落ち着かせる
石鎚山が望める星ヶ森の鉄の鳥居
自然を眺めていると、無心になれる
あとは同じ道を下って、ビジネス旅館小松に戻るだけだ
宿の玄関にはもうほとんどリュックが残っていなかった
ローカル路線バス乗り継ぎの旅の第10弾では
3日目の夕食が「マルブン小松本店」だった
マドンナの遠藤久美子さんはもちろん、レギュラーの太川さん、蛭子さんもその味を絶賛していた
宿の人に場所を尋ねる
目指す店は伊予小松駅前にあり、近いし、わかりやすいという
地元でも評判の店で
美味しいから絶対行くべきだ、と念を押されてしまった
行ってみると、昼前にもかかわらず店は大繁盛
どうにか席を見つけて座る
遍路のリュックは大きく、席は狭い
ものすごく窮屈だ
置く場所がないので、菅笠も被ったまま
金剛杖が他のお客の邪魔にならないか、気になって仕方がない
料理はイタリアンだった
注文したのが何か覚えていない
あわてて食べた
食後のデザートも、頼むのを止めた
全然味わえなかった
美味しかったかどうか、記憶にない
せっかくのチャンスをふいにした
残念、無念
第63番吉祥寺
国道11号線から左に入る
すぐに吉祥寺がある
第64番前神寺
前神寺へはここから約3km
もう少しだ
横峯寺の往復には時間がかかると読んでいた
ところがあっさりと済んでしまった
横峰寺以外、行くのに時間がかかる寺はない
あとは宿へ向かうだけだ
西条アーバンホテル
前神寺を出て、時計が動いてないことに気づいた
電池の消耗を知らせてくれる機能がついているはずだった
何の表示も音も、なかった気がする
故障か
ツイていない
故障なら修理代が高くつくかもしれない
買い替えるほうが安上がりか
いやいや携帯があれば、時計の代用は出来る
捨ててしまおうか、とも思った
短気は損気だ
とりあえず、時計屋を見つけることにした
道沿いにそれらしき店はない
結局この日は、時計屋を発見できなかった
今日の夕食はコンビニ飯と決めている
加茂川を渡る手前にファミリーマートがあった
何も考えず店に入り、おいしそうなおでん等を夕食に選んだ
ファミリーマートを出て歩くうち、ふと思い出した
そうだ、ホテルの隣がローソンではなかったか
ホテルまで、まだだいぶ距離がある
手に持っ袋は重い
おでんは冷めてしまう
自分の判断の甘さを責めた
なぜもっと早く思い出さなかったのか
今日は食事でいいことがない
自分に腹を立てていた
男性が反対側から歩いて来る
すれ違いざまに
こんにちは
声をかけてきた
こちらも返事をする
挨拶の口調は不機嫌だったかもしれない
男性は立ち止まって、にこやかな顔で言った
お遍路さん、お接待します
手には500円玉が握られていた
このタイミングで、まさかのお接待だった
自分の態度を恥じた
無愛想な遍路にさえ、お接待をくださる男性に頭が下がった
男性の行為に浄化されて
心が真っ白になっていった
お遍路は考える旅ではない
気づきの旅だ
四国の道、宿、人、寺、自然、偶然・・・
それらは、ちゃんと自分の愚かさに気づかせてくれる
晴れたこころのまま
ホテルに到着
フロントでタオルのお接待
おお、有名な今治タオルだ
このホテルは、エレベーターが1機しかない
しかも、狭い
外国人の3人がトランクと一緒に乗り込むともう満員
笑顔で見送る
こころが晴れると気持ちに余裕ができる
エレベータを待たされても全然平気だった
宿の情報は